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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十三話 夜深けて
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うずくまってわんわん泣くその子の髪は、綺麗な金色で、今は涙を湛えているせいで歪んだ瞳は、綺麗な紅《ロート》と翠《グリューン》。
『……私?』
それが自分であると気が付く。と、ヴィヴィオはいつの間にかその少女になっていた。
『あ……あれ……』
見ると、膝にあざが出来ていて、自分は其処から立ち上ってくる痛みにわんわんと泣いて居た。
普段の自分ならばケロリとしていられる程度の傷とも言えないほどの肉体の損傷と痛みであるはずなのに、今はそれがたまらないほど痛く感じて、耐えられないほど悲しくて、涙が瞳から後から後から溢れだす。
『誰か、助けて……痛いよ……悲しいよ……ママ……』
いつの間にか自分自身すらそんな事を思い出した頃、不意に、頭上から声がかかった。
「あ、やっぱりいた!ヴィヴィオ、だいじょうぶか?」
「ふぇ……」
顔を上げると、其処に自分の大好きな人が立っていた。青い髪を揺らしたその人はヴィヴィオを見ると、心配そうな声で語りかけて来る。
「たてるか?ヴィヴィオ」
「……(ふるふる)」
「しょーがないなー」
現在の自分で有れば即座に立ちあがったであろうが、しかし幼い自分は首を横に振った。足が痛くて、泣き疲れていて、立つ所では無かったからだ。
するとその人はヴィヴィオの前で屈んで、その背中をヴィヴィオに向けた。
「はい。おんぶしてやるよ!」
「……!」
目の前に出されたその人の背中に、ヴィヴィオはよじ登って捕まると、下から持ちあげられる感覚がして、視界が一気に高くなった。
「わぁ……!」
「よっし!」
歓声を上げるヴィヴィオを乗せて、その人は嬉しげに声を上げて歩きだす。ユラユラと彼女の身体を揺らしながら、少年は軽々と歩き続ける。
「……うにゅ……」
「?ヴィヴィオ?」
初めの内こそ何時もより高い景色に興奮していたヴィヴィオだったが、やがてその背の暖かさと、ユラユラと優しく揺れる振動に泣き続けた事による突かれが重なり、瞼が重くなって行く。
うたた寝加減で肩に頭を乗せて、温かさと共にまどろみが深くなっていく。
ユラユラ……ユラユラ……
『……あ、れ……?』
何時の間にか、温かさが増しているような気がする。
誰かの肩に頭を乗せてユラユラとおぶさられている感覚。
脱力した身体が支えられて、ゆられている感触。これは……
『……ゆ、め?』
それとも……
────
「ん……あれ?」
ヴィヴィオが目を開ける。ついさっきまでとは違って気持ちよく目が覚め……
「朝……」
たと思っているのは、どうやら自分だけらしかった。既に窓の外からは陽光が差し込み部屋を明るく照らしている。
足元には昨日読みかけで寝てしまった歴史書が散らかっており、横にはまだリ
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