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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十三話 夜深けて
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らくの間沈黙した二人はしかしやがて……

「それで……ライノ、何をするの?」
「あー……いや、なんでもねえ。のんびり入ろうぜ」

賢明だった。まったくもって、今日のライノは賢明だった。


────

そんなこんなで、何時の間に現れたのか、セインの作った予想外に旨い夕飯を食べ終え、暫く談笑すると自然と眠くなってくる。

満腹となり、一日丸まるの訓練と遊びに疲れた身体が休息を求めて目蓋を重く感じさせ、身体をフカフカのベッドの上へと導き、彼等、彼女等は夢の世界へと旅立った。

────

そんな夜がふけて、現在時刻午前二時二十八分頃。ロッジ内チビーズとアインハルトの四人が眠る子供部屋の扉が、ガチャリと開き、中から人影が廊下へと歩き出す。金色の髪をユラユラと揺らしつつ、眠たそうな目でむにゃむにゃ言いながら廊下を歩くのは、言うまでもなくヴィヴィオだ。

廊下の先にあるトイレへと歩くと、扉を開けて中へ。
此処で中の様子を描写しても良いが、それは流石に少女のプライバシーに関わるため止めておく。

因みに今でこそこうして自分でトイレに向かうヴィヴィオも、以前までは時折布団を濡らしてしまい、そのたびになのはやフェイトを苦笑させていたものだ。因みにそれがいつ頃までの話かと言うと……失礼、今高町ヴィヴィオと言う存在を愛するありとあらゆる存在から殺気を向けられた気がしたので、この話はこのくらいで終えておく。作者とて命は惜しいのである。ご理解とご協力を頂きたい。

さて、数分すると、扉の向こうから水の流れる音が響き、再び中からパジャマ姿のヴィヴィオがフラフラと出てきてもとの部屋の方へと向かい、途中で左に曲がった。たどり着いたのはリビング。ヴィヴィオは冷蔵庫に寄っていくと、中からお茶を取り出し、食器棚から出したグラスに注ぐ。
お茶の入っていた硝子瓶を冷蔵庫に戻し、お茶の入ったコップを持ってソファの前に行き、座り込むとヴィヴィオはそれを口に含んだ。

「んっ……んっ……」
コクコクとよく冷え、透き通った薄い黄緑色の液体をのどに通すと、心地よい冷たさと香りがのどを滑り、胸の内に涼やかさを残す。

「ぷぅ……」
息を一つ吐いて飲みほしたコップを机に置く。少し休んでからコップを戻そうと考え、ソファに深めに腰掛ける。と……

『あ、あれ……?』
即座に眠気がどっと押し寄せ、ヴィヴィオは無意識の内にソファの上にコテン。と倒れ込んでしまう。

『うぅ……風邪……ひいちゃう……』
春とは言え、まだソファの上で何も掛けずに寝るには少々寒い時期である。しかしヴィヴィオの意識は問言うと、そんな彼女の考えとは反比例するように、深く深くへと沈んで行った。

────

緑色の草むらの上で、小さな少女が泣いて居た。
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