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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十三話 夜深けて
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した。
しかし……

「なのは、やっぱり、まだ気になるかな?」
「え……?」
目を見開いたなのはの前には、少し心配そうな顔のフェイトが居た。なのはの顔が少しだけ、憂いを帯びているように見えたからだ。
正面からフェイトに見つめられ……なのはは観念したように苦笑気味に頷いた。

「にゃははは……うん。ちょっと」
「……」
心配そうに自分の事を見るフェイトに、なのはは安心させるように笑いかけた。

「大丈夫だよ。ノーヴェの事も、ヴィヴィオの事も、クラナの事も……ちゃんと信じてる。この前だって、信じて大丈夫だった。だから……今度も、信じられるよ」
「……そっか」
少し安心したようにフェイトは微笑んだ。
ただ、そう言ったなのはの笑顔の奥に、まだほんの少しの懸念のような表情が残っている事も、彼女は確かに感じていた。

────

「…………」
なのはは、陸戦場の景色を見ながら、一つの事を思い出していた。

今頃、皆が入っているだろう風呂。
其処で晒されているだろう、クラナの左肩には、大きな古傷が有る。
普段は袖のある服のみを着ることで隠しているそれは、なのはにとって忘れてはならない、自らへの深い戒めの象徴だ。

そして同時に……それは娘、ヴィヴィオにとっては、なのはが彼女にまだ思い起こす事無く居て欲しい、大きな罪の象徴でもある。

「…………」
なのはは、クラナの事も、ヴィヴィオの事も、確かに、間違いなく信じている。それは絶対であり、揺るぎはしない。
だが、その信頼の裏で、明日、何かが起こるような、そんな懸念が渦を巻いて居る事も……また事実だった。

────

所で、その後の風呂であった出来事である。

「そういやクラナ!合宿で露天風呂と言ったらする事有るよな!!」
「……は?」
「覗きだよ覗き!!お前この風呂の隣女子の風呂だぜ!?今頃は向こうはパラダイス!!テンプレートが訴えかけてる!!今こそ行動の時だ!!」
「……ごめん、ちょっと何言ってるか分からない」
本気で意味不明な物を見る目でそう言ったクラナの肩を、ライノは掴んでゆさゆさとゆすった。

「おーい!頼むぜ!!此処で覗かなくて何時除くっ「絶招!!炎雷砲!!!!!!」て?」
突如、ライノの後ろ、女風呂との境界になっている高めの策の向こうで技名が弾け、


ズガァァァァァンッ!!!!!

という落雷と爆発が一片に起きたような音がして……

「「…………」」
誰か、いや正確にはクラナにはうっすらと誰だか分かったが、人影が天空へと舞いあがり、くるくると三回転ほどして……

「「…………」」
ばっしゃぁぁぁんっ!!!

という盛大な水しぶきと共に策の向こうに落下した。

「…………」
「…………」
しば
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