第二章 二話 後ろに向かって前進 前編
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、例を上げればグランティノのカタパルトのように細長いタイプのカタパルトである。
それがユニコーンに搭載できるようにした設計図である。
ユニコーン後部のブースターを改造してカタパルトに仕上げてある。それが伸びているので、ユニコーンの舷側を二本のカタパルトが覆っている形になっている。
「無茶な改造でありながら艦船全体のバランスが全く崩れていない………流石だ。」
「時間さえもらえれば………」
実際にユニコーンをこうしてみせる。そう言いたいのだろう。
「いいだろう。今回の報酬でユニコーンの改造資金も十分用意できる。どこか設備の整った宇宙港で、好きなようにやってみるといい。」
「感謝します。」
ぺこり、と頭を下げるとバークはドックの方向へと去っていった。
*
しばらく風を浴びていた白野だったが、所持している携帯端末にワレンプス大佐から連絡が入ったので内容に目を通した。
要約すると、ギリアスが参加していたパトロール部隊と遭遇した海賊船に白兵戦を仕掛けた艦があり、その際に捕虜にした幹部クラスから敵のネージリンスにおいての本拠地の位置情報を引き出したという。
そして、政府の全面協力の元で拠点攻略作戦が展開されるらしく、やって来た援軍とワレンプス大佐率いるグランティノを旗艦とした艦隊をメインとした攻略作戦を実行するらしい。
「政府の全面協力か………なかなか面白くなってきた。」
白野は踵を返すと颯爽とした足取りでドックへと向かっていった。ウイスキーのボトル二つ分の酔いなど既に吹き飛んでいた。
*
翌日、再びアミタスの作戦室にやってきた白野とその他の志願した0Gドッグたちは、ワレンプス大佐から恐らくは最後になる作戦の内容を聞いていた。
「私の艦隊は援軍と共に真正面から攻撃をしかける。つまりは陽動だ。本命は君たち。白野艦長のユニコーンを旗艦として………惑星側面から侵攻し敵の本拠地、放棄された旧移民星【シャンプール】を攻撃する。シャンプール上空の宇宙戦力を全力で排除してくれ。その後、強襲揚陸艇編隊がHLVを投下して宇宙港を確保する。最終的にはシャンプールの地上に建設されたスカーバレル海賊団の本拠地兼補給基地を破壊する。………なにか質問は?」
白野が質問した。
「旗艦はユニコーンが務めていいのだな?」
「勿論だとも。ランカーである君の能力はここにいる全ての人間が承知している。」
「わかった。謹んでその任を受けよう。」
もう一人、志願した0Gドッグの中の一人が質問した。
「シャンプールの側面から回り込んだとして、そちらとの連携は?」
「問題ない。君達が宇宙戦力と戦闘を開始する頃には既にこちらも陽動から転じて全面攻勢にでる。つまりは挟撃、挟み撃ちという事だ。」
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