第二章 二話 後ろに向かって前進 前編
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か、バウトは自分の専門職の話を始める。
「今回の報酬でユニコーンの財政もだいぶ明るくなるでしょう。私は非戦闘員ですが、そうでない範囲のサポートには全力を尽くしますよ。」
「ああ。今まで通りの活躍を期待している。頼んだぞ。」
「そう言えば、バークが艦長を探してましたよ。」
バークはユニコーンの整備士で、超人的な整備能力を有していて短期間でユニコーンにカルバライヤ名物のディゴマ装甲処理を施したりしてその天才ぶりを示している。
「バークが?なぜ?」
普段はユニコーンの整備庫にこもって何かを開発しているセミ・ヒッキーである。
「何でもユニコーンの画期的な改造プランがあるとかで。」
「ほほう?」
バークは今まで様々な改造プランを提示してきた。その中にハズレはなかったし、ユニコーンの性能はそのおかげで相当高まっている。今回の改造プランもそうである事の期待は大だ。
「おうい、飲めよ。」
視界の端ではゲイケットがギリアスに絡んでいる。未成年の飲酒は禁止です。大人はしっかり止めてあげましょう。
お酒はハタチになってから。
「いつまで酔っている。さっさと目を覚ませ。」
ゲイケットに冷水を飲ませる白野。
「うーむ………」
そのまま酔いつぶれるゲイケット。どうもエーヴァはこの男が酔いつぶれるほど過剰に飲酒させたらしい。外科とはいえ一応医者なのに………
テーブルに突っ伏したゲイケットを置いて、白野は酒場の外に出る事にした。バークを探すためでもあり、そろそろ外の風を浴びたいとも思ったからである。
ウイスキーのボトルは二つ空になっていた。
*
アミタス 酒場の外
人工惑星にも空はある。それこそ人工のものだが、昼と夜もしっかり入れ替わる。今は、ネージリンスの標準時で午後十一時を回ったところだ。
その人工の星空の下に白野はいた。アミタスはもともと新たな移民地として建造されたらしいが、ちょうど完成直前にスカーバレル海賊団のバカ騒ぎによって宙域の治安が不安定になり、入植が全面的に中止となりその代わりに宙域パトロール部隊の基地として政府が軽く改修したらしい。
だから、内部はそこらの惑星と遜色ない自然が再現されているのだ。
そして、その近くのガード下に白野を探していたはずのバークがいた。何をしているかと思えば、携帯端末を操作して何やら設計図を記しながらどこで手にいれたのか、ハンバーガーをかじっていた。
「よう、バーク。」
「艦長、これ。」
言葉数少なく、バークが渡してきたのは一枚のデータプレートだった。内容を確認すると、ユニコーンの設計図のようだが、決定的に違う部分がある。
「カタパルト………しかもレールタイプか。」
レールタイプカタパルトとは
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