序章 僕の選択
第五話 デスゲーム開始!!
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界で死ねば、本当に死んでしまうのに。
「クライン、ソラちょっと来い」
と、そこでキリトに呼ばれる。
そしてキリトは僕の腕とクラインさんの腕を強引につかみ、人込みを縫って歩き始めた。
どうやら、集団の外の方にいたようですぐに人込みを抜ける。
そして広場から放射状に広がる幾つもの街路の一つに入り、馬車の影に飛び込んだ。
「クライン。それにソラ」
キリトが、真剣な目をして呼ぶ。
「いいか。よく聞け、二人とも。俺はすぐにこの町を出て、次の町に向かう」
ちらりと横を見ると、クラインさんが悪趣味なバンダナの下で、ぎょろりと目を?いた。
そしてキリトが低く押し殺した声で続ける。
「あいつの言葉が全部本当なら、これからこの世界で生き残っていくためには、ひたすら自分を強化し続けなければならない。お前も――特にソラは重々承知だろうけど、MMORPGはプレイヤー間のリソースの奪い合いなんだ。システムが供給する限られた金とアイテムと経験値を、より多く獲得したやつが生き残れる。...恐らく《始まりの町》周辺のモンスターはすぐに刈りつくされるだろう。モンスターのリポップをひたすら待ち続けることになる。居間のうちに次の町を拠点にした方がいい。俺とソラは道も危険なポイントも全てしってるから、レベル一の俺達でも安全にたどり着ける」
キリトにしては長い演説を、クラインさんは身動き一つせずに聞き終えた。
そして数秒後、わずかに顔をゆがめる。
「でも...でもよ。前に言ったろ。おりゃ、別のゲームでダチだったやつらと一緒に徹夜で並んで、ソフト買ったんだ。そいつらもログインして、さっきの広場にいるはずだ。俺を待ってるはずなんだ。置いてはいけねえよ...」
「「...」」
キリトが息を詰め、唇を噛んだ。
キリトは頷けないんだろう。
もし、キリトが『よし、全員連れてくぞ』とか言って、連れてっているときに全滅でもしたらキリトに責任がかかりかねない。
それをクラインさんは読みとったようだ。無精ひげが浮かんだ頬に、強張っていたはいたが、それでも太い笑みを刻み、首をゆっくり振った。
「いや...これ以上おめえに世話になるわけにはいかねえよな。オレだって、前のゲームじゃギルドの頭はってたんだ。大丈夫、今まで教わったテクで何とかして見せっから。...それに、これが全部、悪趣味なイベントの演出で、すぐにログアウトできるっつう可能性だってあるしな。だから、おめえらは気にしねえで、次の村に行ってくれ」
「...」
キリトが数秒黙りこむ。
...僕も、もう心は決まった。
「そっか」
キリトがうなづく。
キリトも決めたようだ。
...なら。
「ここで別れよう」
僕
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