序章 僕の選択
第五話 デスゲーム開始!!
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はナーヴギアが頭から顔全体をすっぽり覆っているから顔の造形などが細かく把握できる。
ま、その二つを使って身長、体の造形、顔を出したんだろう。
そしてその意図も、もう明らかだ。
「...現実...」
キリトが呟く。
うん。キリト正解。
「茅場晶彦はさっきそう言ってた。これは現実だと。このポリゴンのアバターと...数値化されたHPは、両方本物の体であり、命なんだと。それを強制的に認識させるために、茅場晶彦は俺たちの現実そのままの顔と体を再現したんだ...」
「で、でもよぉ、キリト...」
がりがりと、頭をかき、クラインさんは叫んだ。
「なんでだ!? そもそも、なんでこんなことを...!?」
「クラインさん」
そこで話しかける。
「何だよ...」
クラインさんがこっちを向く。
僕はそれに対して、指先で真上を指差す。
「その答えは、もうすぐ言ってくれると思うよ」
茅場晶彦は僕の予想を裏切らなかった。
数秒後にまた、アナウンスが再開されたのだ。
『諸君は今、なぜ、と思っただろう。なぜ私は――SAOおよびナーヴギア開発者の茅場晶彦がこんなことをしたのか?これは大規模なテロなのか?身代金目的の誘拐事件なのか?と』
そこで茅場晶彦は一旦言葉を切った。
「私の目的はどちらでもない。それどころか、今の私には一切の目的も理由も持たない。...なぜなら、この状況こそが私にとって最後の目的だからだ。この世界を作り出し、観賞するためにのみ、私は、ナーヴギアを、SAOを作った。そして、今、全ては達成した』
そしてまた一旦言葉を切った。
そして、短い間を置き、続ける。
『...以上で《ソードアート・オンライン》正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の健闘を祈る』
その言葉が終わると同時に真紅の巨大なローブ姿が音もなく上昇し、フードの先端から、空を埋めるシステムメッセージに溶け込むように同化していく。そして、そのローブが完全に消えたと同時に、空を赤く染めていたシステムメッセージも消えた。
そして数秒後、やっと、一万ものプレイヤーが反応した。
つまり、圧倒的なボリュームで放たれた多重の音声が、広大な広場をびりびりと振動させたのだ。
「ウソだろ...なんだよこれ、ウソだろ!?」
「ふざけるなよ!出せ!ここから出せよ!!」
「こんなの困る!この後約束があるのよ!!」
「嫌ぁぁ!帰して!帰してよぉぉぉぉ!!」
たった数十分でこんなことになっちゃったから当り前だろう。
自分でも、なんで僕はこんなに冷静でいられるのか不思議なくらいだ。
僕はもう、数か月...あるいは数年間、現実に戻ることはできないのに。
さらに、この世
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