天の御使い…?
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ハイハイハイー」
掛け声と共に暴風雨の様な刃の嵐が暁を襲う
一瞬でも気を緩めたら殺られる…
ちぃ!懐に入れねぇか!
刃が空気を切り裂く
只の一度も失敗は許されない
ギリギリのチキンレース
必ず一瞬のチャンスがあるはずだ
その時の為に…
ひたすら攻撃に耐える
「どうしたっ!口程にもないな下朗!」
趙雲は焦っていた
攻撃が当たらないのだ
手加減などしていない
本気で突いているのに何故っ
焦りからかつい悪態が出てしまった
この男は強い
最初から分かっていた
安い挑発をしてその気にさせる
案の定食い付いてきた…
やはりあの男は自分と同類だ
だからこそ、本気で死合いたかった
ならば…
「これならどうだぁ!」
全力の突きを放った
これだ!
上半身を正面に保ちながら深くスウェーする
眉間を穂先が掠めて血が飛ぶ
しかし…躱せた!
槍を戻す際の隙をつき
ダッダダダっと一気に距離を詰めて
渾身のアッパーカットを放つ
しかしギリギリで躱される…が
そんな事は計算済みなんだよっ
流れる動作で身体を大きく捻り跳ぶ
戦鎚の様な凶悪な一撃
「おらぁ!!」
暁の胴回し蹴りが炸裂した
「ぐぅ!」
危なかった
かろうじで槍で蹴りを受ける事が出来たが…
借りた槍の柄の部分が歪んでしまった
鉄芯が仕込んであるのになんて馬鹿げた威力だ
直撃したらひとたまりもない
ジワリと冷や汗が背中に流れる
こんな汗をかくのは久しぶりだ
チラッと男の方に目を向けると…
眉間から紅い血を流しながら男は…
【笑っていた】
ハハッ思った通りだ
蹴られた怒りよりも
腕に残る痛みよりも
強敵に会えた喜びが勝り
笑ってしまった
一騎討ちの最中なのに…
「さて…挨拶は終わりだぜ」
「おや?随分過激な挨拶ですな?」
「言葉は要らねぇ…楽しもうぜ?このゲームをよ」
「げーむ?良く分からないが同感ですな!」
2人は同時に駆け出した
さて…第2ラウンドの始まりだ
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