暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
紅髪の武将
[3/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
で台地南端の上空、二人の対極的なプレイヤーに向けたとき、方針の体と言った大柄なサラマンダーが弱々しく口を開いた。
「………なるほど、貴様がケットシーの《
終焉存在
(
マルディアグラ
)
》。いつも放浪ばかりしている酔狂な奴だとは聞いていたが、まさかこんな小僧だったとは、な…………」
その声も見た目に違わず、地の底から響いてくるような重低音だが、やはり欠片も覇気というものがない。
まぁ、これだけ仲間を引き連れて楽勝だと思っていた領主暗殺が失敗したとなれば、その心中は押して図るものだが。
「こっちも驚いたよ。ウチの領主を狙うなんて言うんだから、どれだけの軍隊を率いてくるかと思って来てみたら、三桁にも昇らないハエの群れ…………」
ぞく、と。リーファの背筋に冷水をぶち込まれたような感覚が走った。
遥か上空に浮かぶレンの身体から、壮絶なまでのプレッシャーが解き放たれた。
直接こちらを見ていないどころか、顔すら見えていないのにこの圧力。みし、と膝が嫌な音を響かせる。
そして、その圧力を真正面から向けられている大柄なサラマンダーの顔は、遠目に見てもみるみる青ざめていく。
「なめてるの?」
ついに栓を外したかのように、レンの体から明確な異常が溢れ出た。
小柄な身体から、漆黒よりもまだ黒い、闇の底のような真っ黒な瘴気が滲むように溢れ出てきた。
ビリビリ、と台地に立ち尽くすリーファの足元に生えている背の低い草が、放射状に倒される。
「ま、かの《猛将》を寄越して来るんだから、モーティマーのおじさんも少しは本気だったのかねー」
「俺を………知っているのか?」
「ユージーンでしょ?その無駄にでっかい剣で有名になった、ただの雑魚」
ここで初めて、ユージーンという名前らしいサラマンダーの顔に呆然以外の感情が浮かび上がった。それは恐らく、憤激と呼ばれるものだろう。
ぎりり、と砕かんばかりに噛み合わされる歯の音がここまで聞こえてくる。
そして、ここで隣のサクヤがそうか、と小さく呟いた。
「ユージーン。どこかで聞いたことがあると思ったら、サラマンダー領主《モーティマー》の弟………リアルでも兄弟らしいがな。知の兄に対して武の弟、純粋な戦闘力ではユージーンのほうが上だと言われている。現在ALOの最大勢力である、サラマンダー最強の戦士………ということはつまり────」
「全プレイヤー中最強…………?」
「ということになるかもしれん。それに、あの両手剣。レジェンダリーウェポンの紹介サイトで見たことがある。《魔剣グラム》…………」
サクヤの言葉に答えたかのように、上空ではサラマンダーがじゃりん!と音高く抜剣するところだった。
「聞けば貴様はワイヤーなどと言うふざけた武器を使う
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ