第四幕その三
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遂に」
アムネリスは顔を上げてその言葉に顔を向ける。向けずにはいられなかった。
「ラダメス、そなたは地下の墓所に生きたまま埋められる」
ランフィスが裁きを彼に下した。
「だが将軍として、エジプトの英雄としての名誉はそのままとする。その証として剣を最後に与えよう」
そこで自害をせよとのことだった。せめて名誉の死を与えたのである。
「わかったな。では裁判は終わりだ」
「被告人ラダメス将軍は死刑」
「地下墓所で自害せよ」
「自害・・・・・・死!」
アムネリスはその言葉に思わず立ち上がった。
「そんな・・・・・・どうしてあの方が」
「王女様、仕方ありません」
「将軍が望まれたことですから」
「私は望んでなぞいません!」
泣いて侍女達に叫ぶ。
「あの方の死なぞ。誰が望みますか!」
「ですが」
「それでも」
「わかっています」
頬に滴り落ちる涙をそのままに応える。歯を噛み締めていた。
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