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異次元の決闘者
ミスト・バレーの戦士 前編
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た。

「もしかし、あの風を追っているのか?」
「そうみたい。もしかしたら気になっていたのかな? どうする? 追う?」
「そうだな…追ってみようか」

融とウィンダはサニクスの後ろについて行く。しばらく歩くと霧が段々と濃くなってきた。まるで訪れたものを惑わすように。

「霧が濃いな…」
「そうだね。もしかしたら先は霧の谷〈ミスト・バレー〉に近づいているかも」
「ミスト・バレーってウィンダの里じゃないのか?」
「うんん。私たちはミスト・バレーの大湿原といってこの付近に住んでいるだけなの」

そういってウィンダは目を細める。

「きっとここにはミスト・バレーの戦士達いる所ね」
「ミスト・バレーの戦士って?」
「――それは過去の大戦で戦った偉大なる戦士達だ」
「「!?」」

後ろから声を掛けられ2人はビクッと体を震わせる。ブリキのように首を後ろに向けるとそこにはサニクスがいた。

「い、いつから?」
「結構前から君たちが追ってきたことには気づいていた。君たちもあの風を追ってきたのか?」
「ま、まぁ、そんなとこかな。ハハハハ」

ウィンダたちは苦笑いをした。サニクスを尾行してきたとはとても言えない。

「でもこの霧じゃ、これ以上進めなさそうだな…」
「そうね。どうする? 戻る?」
「肝心の風も見えなくなったからな…ん? 少し晴れてきてないか?」

サニクスの言葉に融達は辺りを見回した。

「確かに、でもなんでだ?」
「あれ見て!」

ウィンダが指を刺す。融、サニクスもその方向を目を向けて驚愕する。そこには複眼をもった巨大な芋虫のようなモンスターがいたのだ。背中から霧を放出しているどうやらあれが霧の原因のようだ。

「なんで、霧を消したんだ?」
「もしかしたら、私達をどこかへ案内したいみたいだな」
「どうする? ついて行く?」
「…もしかしたら何か俺たちに伝えたいことかあるかもしれないしついて行ってみよう」

融は歩き出しウィンダやサニクスもついて行く。

不安定な岩場を越して歩き続けて数十分後。融達は疲れ切っていた足を止めた。

「ここは…」
「さっきと違って、広い場所に出たようだ」
「こんな広い所なんてあったなんて知らなかった。ずっと一本道の崖だと思っていたから」
「ガスタの者さえ知らない場所いうことはもしや…」
「ミスト・バレーの戦士達が住んでいる所か!」

「その通り」

「なっ、どこから人の声が? 周りにはいないのに…」
「トオル。上よ」
「う、上!?」

ウィンダの言葉に反射的に見上げると絶壁といえる崖にぶら下がっている者がいた。人の姿をしつつ体の一部に翼が生えている。間違いないサニクスと同じこの世界の住人だと融は悟る。

「その漆黒
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