第四幕その一
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遮ってしまっていた。
「それは事実です。ですから」
「騙されたのであろう」
ランフィスのその言葉通りであった。
「それでは致し方ない。間違いは誰にもある」
「一言だけ仰れば助かるのです」
「ですから」
「今の私には命を永らえる意味はない」
アムネリスの言葉も兵士達の言葉も彼は受けようとはしなかった。
「死こそが」
「死んではなりません!」
アムネリスはこれまでにない強い声でラダメスに対して言った。
「貴女は私の夫になるべき方、貴方を愛して永遠に貴方と共に」
「そのお気持ちは有り難いです」
それがわからぬラダメスではなかった。わかっているのだ。しかし彼は自分を偽ることができなかったのだ。アイーダを愛するというその気持ちを。彼はアイーダを裏切ることも偽りの愛でアムネリスを傷つけることも、両方を拒んだのだ。その結果としての死でもあったのだ。
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