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少年は魔人になるようです
第42話 少年は騙され、少女が守るようです
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いたんだ。

もみじさんが結界を内側から破って、魔王軍を麻帆良に呼び込もうとしてるって。

それで、知り合いの僕達が先に説得に来たんだ……。」

「・・・・・・嘘ついても、分かる・・・・。『神虎(シェンフー)』、左。」
ゴロゥゥアァ......

「きゃああああああああ、あ、あぁ………!?」


アリアさんが虎に命じると、左足――明日菜さんの方に力を入れ始める。

骨の軋む嫌な音が聞こえ、悲鳴すら出なくなっていく。


「ま、待ってください!!ほ、本当の事を話しますから!!」

「・・・・ん、6割本当みたいだから・・・・半分だけ。」

「う、ゲホ、ゲホッ……!!」


要するに、4割が嘘だったから、半殺しにしたって・・・!?こんな、こんな簡単に人を傷つけて!!


「アリア〜ん、何やってるのーー?」

「ッ、もみじ・・・・!!」


もみじさんがこちらに来た事で、アリアさんに動揺が走り、僅かに虎の拘束が緩まる。

その瞬間、僕は魔力を右足に集め、学園長先生に教わった蹴り技を放つ。


「『蠍狩』!!」
ガッッッヅン!!

グルオァアァァァアアァ!?

「っ、朱里さん、ごめんね!!」

「うぇ、え?明日菜!?なに、何これ!?」


足が離れた瞬間、明日菜さんはもみじさんを羽交い絞めにして捕え、僕は魔法を遅延しておく。


「ハァ、ハァ……!もみじさんアリアさん、すみません。

学園長達には、ウェールズの村の……あの時の映像を見せられて、

麻帆良をこうされては敵わないって言われて、もみじさんを倒しに来たんです。

そう、村を嗤いながら燃やすもみじさんがバッチリ映ってたんですよ。

お陰で、話に聞くだけじゃできない覚悟も出来ました。」


明日菜さんは困惑した表情で、もみじさんは震えながら、

アリアさんは・・・相変わらず、無表情で僕の話を聞いている。


「でも、ハッキリ言って僕には関係無いんです。麻帆良の治安とかそんなのは後回しなんです。」

「「えっ?」」

「僕にとっては――――」


明日菜さんともみじさんが、疑問の声を上げる。そうでしょう。

明日菜さんにはそれとなくしか伝えていませんから。理解しているとは思っていませんでした。


『アッハッハ!考えすぎだって!!お前は本当にどっちにも似てないな!!

まぁ、熟考するのは悪い事じゃない。けど、そう言う事じゃない事だってあるだろ?』


そう、僕にとってこの人達は―――


「教師と生徒の前に、ただの仇で、敵で、憎むべき相手なんです。

……『解放(エーミッタム) 降り立つ聖天(レーン・ガェンティン・ヴェチェクニクタ)
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