崑崙の章
第7話 「いっただっきまーす!」
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「は、はい、おみ――」
「いっただっきまーす!」
「ず――んむっ!?」
ずちゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるっ!
「うお!?」
「!? !? っ!?」
「んーむ、あーむ、んく、ちゅく、うむ、うにゅ、ちゅるる……ぷはぁあ!」
な、なななななななななななななななな!?
「お、おおう……す、すごい接吻じゃった……」
桔梗の唖然とした声が聞こえる。
しかし、わたくしはそれどころではなかった。
し、舌が、舌が口の中でうねうねと……
「んー……まだ足りない……もっと、もっとお水ぅ……」
「え? あ、え? ちょ、じゅ、盾二!? 水はそこに……」
真っ赤な顔でじりじりと桔梗ににじり寄る盾二様。
冷や汗を垂らした桔梗が逃げようとするが……すぐにその腕をつかまれて引き寄せられ――
「いただきまーす……」
「ひぃ、やめっ、やめんーーーっ!?」
ずちゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるっ!
ずちゅずちゃずちゅるじゅちゃずちゅじゅじゅるずちゃるずちゅちゅじゅるるるるっ!
……うわ。
「んーっ……ぷはぁ……ひっく」
「ぶはっ! んはぁーっ! はぁーっ、はぁぁぁ……」
盾二様が口を離すと……その。
桔梗との口元からものすごい量の糸が垂れて……
桔梗は、くたっと椅子に倒れこんだ。
「き、桔梗!? だ、大丈夫!?」
「ひっ、ひっ、ひっ……し、しお、しおん……わし、わし……」
ちょ、ちょっと!
桔梗が、桔梗が!
乙女のような顔になっていらっしゃる!?
「わし……もうお嫁にいけん……ぬ、濡れてもうた……」
「…………わかるわ」
思わず同意するわたくし。
ちらっと盾二様を見ると……
「んー……? 口がねばねばする……みず、水は……」
そう言って口に指をいれてぴちゃぴちゃと……うう、ちょっと卑猥だわ。
って、そんな場合じゃないわ。
「き、桔梗……動ける?」
「か、かろう……じて」
「なら、盾二様を落とせるかしら? このままじゃ、本当に落とされるわよ?」
「……それもいいかもしれん」
「桔梗!?」
「だが、まだ小僧に操をやるのもな……わかった。紫苑、注意を引けるかの?」
「まかせて……お願いね」
「承知した」
わたくしと桔梗ががばっと起き上がり、盾二様を見る。
とろーんとした顔でこちらを見る盾二様。
「あー……おみずぅ……」
「うう……ご、ごめんなさい、盾二様!」
盾二様が、こちらを掴もうと出してきた手を絡めて腕を極める。
そこにすかさず桔梗が首に手刀を打ち込む――はずだった。
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