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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
崑崙の章
第7話 「いっただっきまーす!」
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それならばわしの真名も預かれぃ。わしは桔梗(ききょう)じゃ!」
「あ、はい。盾二です……よろしくお願いします。紫苑さん、桔梗さん」
「たわけ! 呼び捨てんかい! ですますもいらん! よいな、盾二!」
「そうですよ。盾二様」
「え? いや、様って……いいんですか?」

 くすくすくす。
 盾二様が顔を真っ赤にしながらうろたえる姿が可愛い。

「何ならご主人様とでも呼びま――」
「い、いえ! 盾二様で結構です!」
「あら?」
「ふぁっはっはっは! わしは呼び捨てにするからの! お主もわしを呼び捨てよ、わかったな、盾二よ!」
「は、はあ……じゃあ、桔梗、紫苑。今後ともよろしく!」
「うむ!」
「はい」

 わたくしは笑顔で応えて盾二様の盃にお酒を注ごうとする。
 と……

「盾二! そんな小さい盃でちまちま飲むでない! これを一気で飲め、いっきで!」

 そう言って桔梗がどん、と瓶を置く。
 って、桔梗!
 それ白酒(パイチュウ)じゃないの。

「ええ!? いや、俺はそんなに酒強くないし……普通に飲む分はいいけど、飲みすぎると記憶なくすんですよ!」
「よいではないか! 明日は劉表殿に面会するのも日が天頂から傾く頃じゃ! 十分寝ていられるぞ!」
「いや、だから、深酒は――」
「ええい、やかましぃ! 飲め、飲んでしまえっ!」
「ゴボッ!? ごぼごぶごぼぼ……」

 あああ……
 止める間もなく無理やり瓶を盾二様の口に押し込んで……
 白酒は、特に強いお酒なのに……

「ごくごくごくごく……げふっぅ…………」

 バタン!

 白酒の瓶を殆ど(から)にして、口から離した盾二様。
 そのまま倒れるように台に突っ伏してしまいました。

「ふむ……飲ませすぎたかの?」
「桔梗……貴方やりすぎよ? このお酒強いのだから、無理したらダメじゃないの!」

 わたくしは、水を入れつつ盾二様を抱き起こす。
 顔から火が出るのではないかというほど真っ赤になった盾二様は、呂律(ろれつ)が回らないことを呟きながら唸る。

「大丈夫です? しっかりなさってください。お水を――」

 わたくしが、盾二様にお水を少し口に含ませる。
 すると、少し口がもごもご動いた瞬間。

「う……ふひひ」
「え?」
「お?」

 突然、にへらっと笑い出す。

「へへへへ……ひっく……かわいいにゃあ……」
「え? え? ええ?」
「お、おおう……」

 だらしなく真っ赤になった顔を垂れさせた盾二様。
 さっきまでのどこかきりっと整っていた顔が、見事に崩れている。

「あ、あの、盾二様? お水を……」
「うん、飲む。飲ませて!」

 ……もしかして、幼児退行なされてます?


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