第20話 親も子も結局心知らず
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土方が皿に盛られたスパゲッティの上にドバドバと黄色い液体を乗せ始める。黄色がかっておりドロドロしている。一体これは何なのだろうか?
「あの、土方さん……この液体は一体?」
「マヨネーズだ。これがありゃ多少は食い易いだろう? ちょっとした優しさだよ」
(これの何処が優しさあああああああああ! 明らかに更に食べ辛くなってる事山の如しなんだけどおおおおおおおお!)
気がつけばスパゲッティの面影など微塵おなく、只の黄色い何かに成り果てていた。
「しょうがないアルなぁ。それじゃ私の酢昆布もおまけでつけといてあげるアルよぉ」
「おぉ、それなら俺もついでにこの練乳も加えてやるよ」
「いや、あの、その……」
何時しか、スパゲッティの面影などとうに無く、今ユーノの目の前にあるのは皆の優しさと言う名の狂気で彩られた凶器が置かれていた。
そして、ユーノの目の前にはドSメンバーの不気味な笑みが浮かんでいた。その顔は声なくしても何を言いたいのか分かる。
ユーノに言っているのだ。【食え!】と。
「くっ……うおおぉぉぉぉ!」
凶器と化したそれを手に持ち早速平らげようとするユーノ。
しかし、そんなのは激しくどうでも良いので先に進める事に至るのであり。
「そんでよぉ、その内の一個がこいつの中に入っちまってるってのはあんたらも知ってるだろう?」
「えぇ、先に検査をしましたからその事については承知しております」
銀時の言葉に女性は頷きそっと手元にあった湯のみを掴む。そして、主室に自分の湯呑みの中に角砂糖とミルクを叩き込んだ。その光景に一同が驚く……事はなかった。何故なら、そんな事をしでかす人間が此処に居るからだ。
「うわぁ、銀さんみたいな飲み方するんだなぁあの人」
「ほぉ、お宅良い趣味してんじゃねぇか。俺もちと貰うとするわ」
そう言って銀時もまた同じように角砂糖を入れて主室に啜りだす。
その時、女性と銀時の精神だけが突如別世界へと誘われてしまったのだった。
(こ、この感覚は一体?)
(何だ? 俺達は以前何処かで会ったようなこの懐かしさは?)
一面星達が煌く眩い世界で女性と銀時は互いを見詰め合っていた。まるで、二人の新人類が戦場で感応しあったかの様に。
(何故、何故今になって、貴方は私の前に現れたの?)
(君こそ、何故今になって俺の前に現れたんだ……)
双方すっかりキャラが崩壊していますがまぁ、構わずにごらん下さい。本人達はすっかりやる気満々なので。
(私には分かる。今の貴方には、誰かを守る為に闘っている。かつて失った物をまた失いたくないと足掻いているかのように)
(俺にも分かる。君は大切なものを失った。その悲しみを未だに引きずっている。かつての俺の様に……)
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