第20話 親も子も結局心知らず
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けを食っていると言う訳でもある。
「とにかく、此処ならなのはちゃんの身に起きている事態も解決出来る筈ですよね」
「そうでなけりゃ苦労して此処まで来た意味がねぇだろ?」
実際言うとかなり不安な要素が多い。管理局ならばどうにか出来ると聞いたは良いが、確証はない。
わらにもすがる思いでこうしてやってきたまでの事なのだ。その為此処でどうしようもない場合打つ手がなくなってしまう。
それが銀時の悩みでもあった。
そんな時、部屋の看板の点灯が消える。どうやら検査が終わったようだ。扉の鍵が開く音が聞こえてきた。噂をすれば何とやら、だ。
早速椅子から腰を上げて扉を開き中に入る。
部屋に入るなりに鼻を突くアンモニア臭が漂ってきた。それに周囲にある棚には明らかに匂いの元とも思われる薬瓶の収められた透明なガラス張りのタンスが置かれていたりしている辺り、見るからに此処が医務室だと言うのが一目瞭然であった。
「うぇぇ、銀ちゃん。私この薬品臭とか苦手アルよぉ」
「俺もだ。つぅ訳で新八。後の事は頼むわ」
後の事を新八に一任、と言うより丸投げしてそそくさと退散しようとしだす。が、そんな二人の襟首を新八がしっかりと掴み挙げる。
「おい、てめぇら! 折角のシーンを台無しにしてんじゃねぇ! さっさと行くぞゴラァ!」
「わぁったよぉ。ったくよぉ」
頭を掻き毟りながらも医務室の中へと戻っていく二人。しかし、そんな事言ったって医務室内に漂うアンモニア臭はどうにも耐えられないので鼻を摘みながら入室をする羽目になってしまった。
「それで先生。検査結果はどうでしたか?」
「うむ、精密検査をした結果なんですがねぇ」
椅子に座り、検査結果を机の上に置き、新八達の方を見る。その面持ちはとても重たい顔であった。
その顔を見た新八は、思わず固唾を飲み込んだ。きっと最悪の結果を言われるのだろう。
「かなり血糖値が高めですねぇ。この調子だと股間が爆発しかねませんよ」
「マジですか? でも俺は好きな物を食べて太く短く生きようって決めてますから、だからその辺は割り切ってますんでお構いなく――」
……あれ?
一瞬、新八は己が耳を疑った。検査結果を聞きたかったのだが、その検査結果と言うのは、何故か銀時の血糖値結果であったそうだ。しかも、本人は以前となんら変わらずな発言をしている始末。
おかしい、何かおかしい気がする。
「まぁ、本人が良いと言うのなら止めはしませんがねぇ。糖尿病になったら結構大変ですから、その辺は覚悟しておいて下さいね」
「もう良いですから。その辺は割り切ってるつもりですんで大丈夫ですって」
「はい、それじゃ後で処方箋渡しますんで呑んでくださいね。えっと、それじゃ続いてお子さんの検査結果なんですけ
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