第19話 マヨネーズとタルタルソース、どっちが好み?
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。そうなる前に事を打たねばならない。
「トシ、何とかできないだろうか? このままじゃなのはちゃんが余りにも不憫でならん」
「ならんっつったってどうしろってんだ? 今あいつ等は揃って江戸にゃ居ねぇんだ。まさかそいつらを追って俺達も江戸を離れろってんじゃねぇだろうなぁ?」
「そ、それは……」
鋭い土方の指摘に近藤は黙り込んでしまった。どうやら図星だったようだ。
「冗談じゃねぇ。俺達の仕事は江戸を守ることだ! たった一人の小娘の命守る為に江戸全市民を危険に晒す訳にゃいかねぇだろうが!」
「それも、そうだな」
半ば釈然としないながらも、近藤は理解した。真選組の役目は江戸の平和を守ることである。その彼等が一人の少女の為に使命を投げ出す訳にはいかないのだ。辛い選択だがこれも真選組が故の事と言える。
「ま、その栗毛は運が悪かったと思って諦めて貰うっきゃねぇだろうが」
「それもそうだな。よし、後で万事屋に菊の花でも添えに行ってやろう。明日にでもな」
「い〜やぁ、添えるなら今日だろうが〜」
突然間延びした声が響いた。かと思うと近藤の即頭部に何か冷たい物が押し当てられた。ひんやりとしていて、その上長時間触れたくない物騒な代物。そんな感じの奴が押し当てられていた。
恐る恐る振り向こうとする前に、それは牙を剥いた。
突然部屋内に響く轟音。そして倒れる近藤。その近藤の隣に立っていたのは茶色のサングラスを掛けた白髪のおっさんであった。
「ま、松平のとっつぁん!」
「あ、危なかった! あと少しで直撃だった!」
土方は名を叫び、眉間すれすれに命中した弾丸に肝を冷やした近藤は未だに立ち上がれないままその冷たい拳銃を持つおっさんを見ていた。
その男こそ、真選組を含む警察組織、警察庁の長官である松平片栗粉その人である。
見た目の通りかなり危ない人の様で、常に拳銃を携帯しており何かと発砲する癖があるらしい。
しかし、そんな外見と中身とは裏腹に家族には優しいらしく特に娘のことになるとしつこい位になるようだ。
「き、急に何の用だよとっつぁん!」
「あぁん? てめぇらこそ何してんだぁゴラァ! 江戸の顔とも言われた万事屋の娘が倒れた。だのに肝心のてめぇらが屯所で胡坐かいてるたぁどう言う了見だぁ?」
明らかに松平は不機嫌マックスの領域であった。そして、その銃口は明らかに近藤、土方、沖田ら三名に向けられている。
恐らく、このまま引き金を引けば確実に三人の眉間に鉛球が命中するのは明白であった。
「ま、待ってくれとっつぁん! なのはちゃんと俺達には何の関係もないだろ? 只俺達が出した懸賞金のせいで事故に巻き込まれたって事になったってそれだけじゃねぇかぁ!」
「バッキャロウ! 叔父さんには
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