第18話 何事にもアフターケアーは大事
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切り自分の方へと引っ張る。
出て来たのはフェイトだった。かなり魔力を吸い取られたのだろう。すっかり弱り果てており意識を保っているかどうかも怪しそうに見える。
「フェイト、頑張るんだよ! こんなとこで死ぬんじゃないよ!」
意識のないフェイトを必死に励ましつつも、木の化け物から遠ざかろうとする。だが、そんなアルフとフェイトに襲い掛かってきたのは、地面から現れたまた別の木の化け物だった。
「う、嘘っ!」
正しく度肝を抜かれたとはこの事だった。一体だけかと思われていた木の化け物がまさかもう一体現れたなんて。
更に続々と地面が割れ、其処から木の化け物が姿を現す。その数は総勢で5体。
あの強大な木の怪物が一気に5体も現れたのだ。
「おいぃぃぃぃ! 幾ら何でも出すぎだからぁぁ! 何これ? 出血大サービスゥゥゥゥ!」
「言ってる場合じゃないだろうが! 何とかこの場を切り抜けないとマジで不味いからさぁ!」
切り抜けるとは言った物の、既に回りを木の化け物に取り囲まれてしまっている現状では逃げる事も出来そうにない。その上、フェイトは今だ意識が朦朧としている状態だし、かと言ってアルフ自身も相当疲弊してしまっている。
当然銀時達にこの化け物を倒す力がある筈がない。正に万事休すであった。
銀時達に抵抗する力がないと悟ったのか、木の化け物が徐々に距離を詰めだし始める。壁の隅に追い込まれた鼠を追い詰める猫の如くじわりじわりと薄気味悪く距離を詰めてくる。
本来なら一気に殲滅できる距離であるにも関わらず相手は一向に襲い掛かってくる気配がない。
「ぎ、銀さん……これってもしかして?」
「野郎、おちょくってやがらぁ……俺達が対抗出来ないって知って優越感に浸ってるってかぁ?」
悔しいがその通りだった。たった1体だけでも相当キツイ相手だと言うのにそれが一気に5体も現れる。しかも逃げ道を塞がれた状態ではどうする事も出来ない。正しく手足をもがれた達磨同然であった。
「もう駄目だぁぁぁ! このまま僕達あの化け物の養分にされちゃうんだあぁぁぁ!」
「冗談じゃねぇぇぇ! 俺ぁまだ結野アナとあんな関係やこんな関係になってねぇんだぞ! それなのにこんな所でくたばって溜まるかあぁぁぁ!」
「ヘルス、ヘルスミーーー!」
天を仰ぎ、無情にも声を発する一同。しかし、幾ら泣こうが叫ぼうが助けが来る筈などない。茜色の空が今か今かと食われていく銀時達をあざ笑っているかのようでもあった。
――あれ? 何だあれは。
ふと、天を仰いだ銀時が見つけた物。それは天空から降り注ぐ数個の黒い物体だった。雨かと思われたがそれにしては粒が大きいし色も違うし、何より数が少ない。
それが徐々に降下していく内にそれの全容が分か
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