第18話 何事にもアフターケアーは大事
[13/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ぉ!」
「バッキャロー! 何が悲しくてあんな不細工な怪物の胃袋に収まんなきゃなんねぇんだよ! 俺ぁ死ぬ時が来たってあんな奴の胃袋の中だけは御免だからなぁ!」
弱気になる新八に向かい銀時が怒鳴る。確かに御免被りたかった。だが、このままではどの道皆揃って怪物の餌になるのは確実だ。
「くそっ! こうなったら――」
何を思い立ったのか、木の化け物に向かい突っ込もうとしだすアルフ。しかしそれを後ろに居た銀時が止めた。肩に手を置いてそれを止めたのだ。
「おい、馬鹿犬! 何する気だよ?」
「犬じゃない! このままじゃフェイトが死んじゃう。そうさせない為にも助け出すのさ!」
「正気か? お前まで食われちまうだろうが!」
「良いさ。私が食われてフェイトが助かるんなら。それで良い」
「お前――」
その時のアルフの顔は重く沈んでいた。銀時にはその顔が何を意味しているのかすぐに理解出来た。アルフは死ぬつもりなのだ。
フェイトを何とか助け出し、自分が奴の餌になる代わりにフェイトを助けようとしている。それが銀時には理解出来た。
理解した銀時は苛立ちを隠そうとせず乱暴に頭を掻き毟った。
「馬鹿野郎! てめぇが死んで、その代わりにあいつが助かったとしても、そんなの意味ねぇだろうが!」
「ある! 私は使い魔だ。主を死なせたら意味ない。命を賭してでもフェイトを助けなきゃ、フェイトの使い魔になった意味がないんだよ!」
「それでアイツが喜ぶと思ってんのか? お前を賞賛してくれると思ってるのか?」
銀時のその言葉が深く突き刺さった。フェイトの心情を一番理解しているのはアルフだ。そして、こんな事をしてフェイトがどんな思いをするかも知っている。
「あのガキの事だ。自分の代わりにてめぇが死んだって知った日にゃぁ、死ぬほど後悔するぞ。『あそこで私が油断しなければ、アルフは死ななかったのにぃ!』っとか言って三日三晩泣き喚くだろうさ」
「わざわざ裏声にすんな! キモイわ! そんなの分かってるよ。でも、このままフェイトを見殺しになんて出来ないんだよ! それに、どうにかして奴を倒す切欠を作らなきゃいけないんだ!」
「ちっ!」
軽く舌打ちすると、銀時はアルフを押しのけて前に出た。そんな銀時目掛けて太い木の根が唸りを上げて襲い掛かってきたのだ。
だが、銀時は微動だにしない。片手に持った木刀に渾身の力を込め、それを受け止めた。
苦心の顔を浮かべながらも歯を食いしばり、銀時は巨大な木の根を抑えつける。
「あんた……何で?」
「か、勘違いすんなよ! 別にてめぇのご主人様を助ける為に力を貸すんじゃねぇんだからなぁ!」
強がりを言っているようだが、かなり踏ん張っている為か声が重くなっている。
「お〜い、何か無理
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ