第18話 何事にもアフターケアーは大事
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けだってのに、一体なんでそんな狡猾な戦法が出来るってんだい?」
「俺が知るか!」
知らないことは知らない。だが、少なくとも分かる事がある。それは、こいつは只強いだけじゃなく知恵もあると言う事。
本来なら力だけの脳たりんならそれ相応の戦い方がある。だが、今のこいつは力強さに加えて知恵も回ると言う大層厄介な代物となっている。
しかも、素早い相手に対する対応もお手の物だと言える。どうやら先ほどの巨大な木の根はフェイトを油断させる為のデモンストレーションだったようだ。
罠に掛かっていたのはどうやらフェイトだったらしい。
「とにかく、このままじゃあの化け物にフェイトが食われちまう! 何とか助け出さないと」
「つったってどうやって出すんだよ! 下剤でも飲ませるのか?」
正直攻撃の要であった筈のフェイトが居なくなった為に戦力は大きく下がってしまった。しかも、それを感じ取ったのか木の化け物が先ほど以上に激しく木の根を振るい始めた。
数も威力も速度も、先ほどの比較にならない程だった。
「野郎! 種隠ししてやがったなぁ!」
「種隠し? 手品とかアルかぁ?」
「ボケるんなら状況見てからボケろ! 今ツッコんでる余裕とかねぇんだよ!」
押し寄せて来る木の根をかわしながら銀時は怒鳴りつける。ならば新八はどうか?
それも同様だった。銀時ですら必死に避けてるのだから当然新八はもっと必死にそれを避けている。
「くそっ、私の魔力弾じゃ話にならないし、接近戦じゃ逆にこっちが食われちまう! 一体どうしたら良いんだい!?」
アルフの戦法は接近戦が主だ。無論魔力弾も使えるが牽制程度にしかならない。
そんな程度の威力ではあの木の怪物に打撃を与えられそうにない。
もっと決定打のある武器が必要なのだ。
だが、決め手である接近戦を挑めばフェイトの二の舞になってしまう。下手に挑めないのだ。
無論それは銀時達にも言えた。銀時達はアルフとは違い遠距離攻撃方法がない。接近戦しかないのだ。
だが、それを行えばやはり結末は同じ。しかも彼等には身を守るバリアジャケットがない。食われれば一瞬の内に消化されてしまうだろう。
「おい、犬っころ! 中の奴は大丈夫なのか?」
「バリアジャケットが身を守ってくれるだろうけど、あんなデカブツの体内なんだ、もって数分が限界だよ!」
「洒落んなんねぇぞこりゃぁ――」
正に厄介この上なかった。銀時達の十八番である接近戦を封じられた上に、無数の木の根が大量に襲い掛かりこちらの足も封じて来る。力の上に知恵も回るという厄介極まりない輩を相手に銀時達も苦戦を強いられていた。
「銀さぁぁん! どうすんですかぁぁ! このままじゃ僕達揃ってあの怪物のご飯にされちゃいますよ
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