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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十三話 芋の皮むき
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所があるのか。それを調べるのが実機テストだろう? だったら私があの機体をテストすることに何も問題はない」
きっぱりと言い切ると、バルクホルンは黙ってカップのコーヒーを飲みほし、そのまま司令室を出ていった。去り際に「おやすみ」と言う事は忘れていなかったが、やはりその横顔はどこか硬く、焦っているようでもあった。
「……ともかく、試験それ自体は続行しましょう。ただし、問題が発覚した場合は使用を即時中止し、本国に返還しましょう」
「ああ、それが妥当だろう」
大きく溜息をついたミーナがそう言って締めくくると、坂本とミーナも自室に引き上げていく。
しかし、ほんの十数時間後に、彼女たちは自分の判断を大きく後悔することになるのだった――
――ロマーニャ基地 滑走路
「では、Me262 V1の試験を開始する。バルクホルン、準備はいいか?」
「問題ない。さっそく始めてくれ、少佐」
日も高く昇った午前。陽光に煌めく海を臨む滑走路には、Me262を装備したバルクホルンの姿があった。傍らには整備班が控え、坂本とミーナもその場に待機している。
今回の試験は高速性能、および運動性能の試験だった。
装備可能重量や上昇限界については先日のテストで結果が出ており、今回はそこに上記二点のデータを加えようということになっているのだった。
「トゥルーデ、あなた本当にそんなに持って飛べるの? 負担が掛かるんじゃ……」
「心配ない。このストライカーは素晴らしいからな。記録を頼むぞ、ミーナ」
心配げに声をかけるミーナに笑って返すと、バルクホルンは発進準備に入る。
「ゲルトルート・バルクホルン、出るぞ!!」
勇ましい掛け声とともに、魔道エンジンが唸りをあげ、凄まじい風を巻き起こす。
やがて十分な魔法力を得たユニットが滑走路を滑り出し、勢いよく上昇に転じる。
《離陸に成功。各部異常なし。これよりテストに入る》
「こちらミーナ。通信状態も良好ね。まずは運動性能からにしましょう」
《了解した。記録を頼むぞ。高度5,000まで上昇してから開始する》
雲をひいて上昇したバルクホルンは、そのまま緩やかに旋回しつつ、機体を左右に振り、時に水平旋転を決めて見せる。
「ほう……あれだけの速度でこの運動性能か。零戦のお株を奪われたな」
感嘆の息を洩らす坂本。テストのために敢えて設置された発煙筒が、バルクホルンの描く軌道をはっきりと宙に刻んでいる。
「テストは順調ね……これなら問題はないのかしら?」
「そのようだ。魔法力の消耗に留意すれば、十分実用に耐えるのかもしれん」
良好なテスト結果に唸る二人。運動性を見せつけたMe262は、いよいよ要となる高速性能試験へと移ろうと
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