一章 六話 とある二人の黒い人達
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。俺のところに来にくかったら、キリトでも、アスナでもいい。同年代のほうが話し安いだろうしな。・・・とりあえず、俺達ならいつでも相談にのるからよ」
そう言って、巨漢はイカツイ顔に似合わない、愛嬌のある笑みを作った。
「りゃあああっ!」
もう何匹目だろうか。
馬程もあるネコマタもどきの頭を切り落として、蹴る。砕ける。
「お次はァ!?」
ふたのネコマタの胴体を真っ二つに。砕ける。
「お待たせしましたァ!」
ラストのネコマタを、四足全部切り取って行動不能に。
「ふははははは!我が力の前にひふれせ!叫べ!許しをこえ!」
どこぞの厨二病的チートラスボス状態になっているが、気にしない。
なぜなら、気晴らしだから。
鬱憤を晴らす時くらい自由にならねば、というのが俺の持論なのだ。
そんなわけで、身動きの取れないネコマタを、剣先でツンツンつついていたぶってみる。
うわ、いたそー
と、視界の端に見知った顔を見つける。
「よう、キリト」
視線と剣そ握る右手だけはネコマタに集中したまま、左手だけ振って声を掛ける。
案の定、俺を見とがめた黒づくめの剣士が呆れたように頬を歪めた。
「相変わらずムゴイことやってるな、ラーク」
「どーも、お褒めに預かって」
「いや褒めてないから」
いやー、今のを返してくれるって、律儀ですなあ。
ここは四十八層。至って普通の草原フィールドだ。その片隅の普通の狩場。
ここに大量ポップするネコマタは、敏捷型の癖に初動が遅く、力もなく、装甲も薄っぺらなため、俺と相性バツグン。そのうえ、経験値もそれなりと、俺のお気に入りの狩場だ。
スペースが小さく、一人しか戦えないため、一回二十分と攻略組による制約がついているが。
「ちょっと待っててくれよ。こいつが死んだらかわるから。」
言っている間にも、ツンツンツンツン。ネコがニャーッ!
ひときわかん高い悲鳴に、俺はニヤニヤ。
キリトが大きくため息。
「そういや、アスナとフレンドになったんだってな」
聞く俺。
「ああ、そうだけど」
答えるキリト。
素っ気ねー。もっと何かねーのかよ。
「アスナといえば、このごろアイツと良く会うんだけど、何なのかな」
・・・・アスナ、避けられてるんじゃない。ただ、こいつがバカなだけだ。
まあ、その辺りが面白いんだが。
そんな感じの感情を全部ひっくるめて、俺もため息のお返し。
「ハアアアアアアアーーーーーー」
あ、ネコマタ死んだ。
と、唐突にキリトが切り出す。
「ラーク、何かあったのか?」
「ん?」
もしかすると、さっきのため息が別の意味に捉えられてしまったのだろうか。
「いや、お前がここに来るの、何か上手く行ってない時が多いから、ひょっと
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