暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
25話:迫る狂気
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。顔を上げて確認すると、既に目の前には怪人の姿が。
(なっ、速―――)
「ふんっ!」
そう思ったのも束の間、怪人は棒を振り下ろし、ライドブッカーを士の手から叩き落とした。
「しまっ―――」
「はぁぁあああっ!」
刹那、次々と繰り出される棒術。
叩かれ、薙ぎ払われ、そして突き上げられ―――
「ぐはっ…!」
空中から盛大に落ちる。何度も繰り出された攻撃によるダメージで、士は地面にのたうち回ってしまう。
「くっ…!(こいつは…)」
士は痛みの走る体に鞭をうち、立ち上がりながら先程までの戦いを思い返す。
(銃に棒術、黒い体に……こいつはいったい…)
「―――エレメント・ブランディング」
「っ!?」
不意に聞こえた声に、士は顔を上げる。
そこには走りながらこちらへ向かう怪人の姿。棒を持つ右手にはさっきまではなかった赤、緑、黄色の三色のラインが走っていた。棒の先にはエネルギーが見受けられる。
(あれは、ヤバい!)
視界に映ったその光景から、大きな危機感を感じた士。すぐに拳を振り上げ迎え撃とうとする。
だが、怪人は反転しながらそれを避け、元の向きに戻ったところで、
「はぁあっ!」
「がはっ―――」
士に強力な突きを与える。
それを受けた士は大きく吹き飛び、ビルに衝突する。ぶつかった事でできた爆煙と共に士の姿が見えなくなる。
「…………」
怪人は士が消えた一点を、じっと見つめる。両手の銀色は消え、漆黒に戻る。
すると、煙をくぐり抜け人影が現れる。
背丈は小学生ぐらい、片腕を抑えながら出てきたのはディケイドではなく、元の姿の士だった。
士は煙から出てくるとすぐ、膝から崩れ落ち地面に倒れる。
「ぐっ……くぅ…ぁぁ……」
「……終わり、ですね」
苦痛に声を漏らす士に、容赦なく近づく怪人。左手を横に広げ、今度はキラキラと光る白へと変える。左腕に光が集まると、盾とそこに収まる剣が現れる。
怪人はそこから剣を抜き、切っ先を倒れる士に向ける。
「がっかりですよ、この程度だったとは。もう少し楽しめると思っていましたが……」
「ぐぅ…このぉ…!」
「まぁ、今ここで殺っておくのも…一つの手ではありますがね」
そう言うと、怪人は剣を振り上げる。今にも士を斬り捨てようと……
「今あなたを殺す事に何の抵抗もないですが、こんな形で終わってしまうのは、正直残念です」
「っ……!」
「では……さよならです」
―――そのとき
ズドオオォォォォン!!
「―――ぬぉっ!」
突然の轟音と揺れに、怪人はバランスを崩す。
士はわずかに見える視界に、一筋の
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