暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
25話:迫る狂気
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に、腕に力を込めゆっくりと立ち上がる。
「そう!それでこそ仮面ライダー!それでこそ私が戦いたいと思う相手ですよ!
さぁ、戦いましょうディケイド!そして私を―――」
「満足させてください!!」
その光景を見ていた怪人は手を広げ、狂ったかのように叫び、笑う。その口は先程よりも大きく開き、赤い複眼も歪んでいるように見える。
「満足させろだぁ?ふざけやがって……!」
怪人の言葉を聞いた士は、地面に転がったライドブッカーを拾い上げながら、小さく毒を吐く。
「戦いってのは、楽しむ為にあるんじゃねぇぞ!」
そして怪人に向け叫び、士は走り出す。
「私にとって戦いとは、唯一の楽しみなんですよ!」
怪人も負けじと叫ぶと、上げていた両手を前に突き出す。
すると今度は銀色のラインが光り、両腕が銀色に染まる。そして突き出した手に銀色の光が集まり、それが銀色の棒へと変わる。
「「はあああああああああああああああっ!!」」
士が怪人の前まで到達すると同時に、士は剣を、怪人は銀色に煌めく棒を振るう。
あるときは屈んで、あるときは武器で、またあるときは上半身の動きだけで、それぞれの攻撃を避け、受け、防ぐ。
「ふっ!」
「ん!」
そこへ唐突に怪人が突きを繰り出す。士はそれを避け、棒の下をくぐらせながら横薙ぎに入る。
ギィィンッ!
「っ!?」
だがその攻撃を、怪人は突き出していた筈の棒で防いでいた。
(腕を引くと同時に、棒を縦に持ち替えて剣の進路を…!)
「はぁっ!」
「なっ!?」
すると怪人は防いでいた棒を振り上げ、士の剣を上に弾く。
幸い、剣は士の手元から離れてはいないが、その一撃は力のあるものだった。
「はっ!」
そこへ怪人の横一閃の一撃。
士はそれに素早く反応して、持ち上げられた剣を右手で逆手に持ち、左手を添えてそれを防ぐ。
二つの武器が衝突し、金属音と衝撃波を生む。
「ぐっ…ぐぅぅ…!」
「どうしました…?もう、根を上げてるんですか…!?」
「だ、誰が…!」
表面上はそう言っているが、内心では怪人の言葉に頷いていた。
(くそっ…くそ、くそっ!魔力の消費もやべぇし、あいつとの…シグナムとの戦いでのダメージも多少ひびいているみたいだ…!)
仮面の下で少々顔をしかめながら、心の中ではそういい、それでも負けじと怪人の棒を弾き距離をとる。
(魔力消費は高いが、四の五の言ってはいられない。ここは別のライダーで一気に―――)
距離をとった士はライドブッカーよりカードを取り出そうと、手を伸ばす。
「させませんよ!」
「―――っ!?」
だがその瞬間、空気が爆発するような音と共に、怪人の声が聞こえる
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