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アイーダ
第二幕その七
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 その言葉に頷くことにした。
「それでは」
「うむ、よいな」
「はい」
 こくりと頷く。アモナスロは娘とは違い轟然とした顔であった。彼もまた王者としての威厳をそこに漂わせていた。しかしそれに気付く者はアイーダしかいなかったのであった。
「私で宜しいでしょうか」
「そなたがか」
「そうです」
 敵の王に対して告げる。
「私一人の犠牲で同胞達が救われるのならばそれでいいのです」
「よいのか、それで」
 ファラオは彼に問う。
「そなたは死ぬまで祖国に帰られぬかも知れぬのだぞ。それでも」
「望むところです」
 口元に微笑みさえ浮かべてきた。実際にその決意は本物であった。
「ですから」
「わかった」
 その言葉を聞いてファラオもまた断を下した。
「では人質はそなたにする。よいな」
「はっ」
 ここで片膝をついて一礼する。
「有り難き幸せ」
「これでまずは終わった」
「ええ」
 ランフィスがその言葉に頷く。

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