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狂気による光
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「ちょっと何してるのゲツガ君!?」

 今まで黙っていたナナミはいきなりの行動に戸惑っている。

「心配するなって。これは摘出しないといけないんだから。この方法しかまだ思いついてないだけでたぶん大丈夫だから」

 そう言ってから何か蠢くものが手に当たるとそれを掴んでジュンの体内から引きずり出した。手にはノイズが走っている長い蛇のような物体があった。

「おご……」

「こいつが、ジュンに入ってた奴だろうな。たぶん」

「そうですね。感覚的にさっきの話してたやつの似てますし」

「何なの……これ……?」

「こいつがさっきまでジュンを動かしていた本体。それで俺らが追っていたもん」

 そして、そのままその蛇のような物体を握りつぶすとジジッと空間が歪んでいき、消えていった。そしてあたりのノイズも消えて、普通のエリアに戻った。

「これで終わりか」

「後はゲツガさんの中のウィルスを取り出すだけなんですが……その……自分で貫くんですか?」

「それしかない……だろうな。でも、一つ疑問があるんだが、俺の侵食がまったく進んでいないんだが、時間的にウィルスに感染して結構時間が経ってるのに……ジュンみたいに個人差があるのか?」

「そうかもしれません。それなら早く取り出しましょう」

 そして自分の体内にいるシードの位置を探る。しかし、なぜかシードの気配をまったく感じない。自分の中にいるものは感じられないということか?

「すまん、自分じゃどこにいるかわからん。シュート、お前は分かるか?」

「僕にはわからないですよ。ウィルスの存在を感知することは出来ますがそこまでは出来ないと思います」

「そうか〜、それなら無理に弄りたくないな〜。もしもの時はお前らに任せる」

「そんなの無理ですよ。ダメージも与えられないのに」

「ジュンに任せとけば何とかなる」

「何でお兄ちゃんに任せるんですか……」

 二人はあきれたように息を吐いた。

「とにかく、ウィルスがまだ大丈夫ならログアウトしたほうがいいだろう。一応、あっちで話すことになるからな〜、シュートお前、携帯とか持ってる?」

「一応、ゲツガさんそういう系のアプリ入れてるならその番号を教えますけど」

「確か入れてる」

 そして、シュートの言った番号を暗記して、ジュンをたたき起こした。

「おい、ジュン起きろ」

「……っう〜、あれ、ゲツガ……確か俺……あの時何かに……」

「その説明は現実でしてやるからとりあえずログアウトするために街に戻るぞ」

 四人は急いで街に戻り、宿でログアウトした。
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