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狂気による光
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にしてください!これ以上はもうさすがにやりすぎです!動かなくなってるならやるべきことがあるでしょう!」

 二人の叫びにウィルスのほうを向く。ウィルスは先ほどの攻撃を何度も受けたせいか、ほとんど動かなくなっている。

「ご……が……」

 それを再び壊したいという欲求がまたでてくる。そして再び殴ろうとすると今度は二人係で止められ、前のめりに倒れる。

「さすがにもうやりすぎです、ゲツガさん!もう、これぐらいにして動かない今のうちにウィルスを取り除く方法を考えて試しましょう!!」

「もういいから!もういいから!!」

 ナナミは泣きじゃくるように叫び、シュートは必死に説得する。そのおかげで何とか衝動が少しずつ収まってきて、ようやく普通の状態に戻ったような気がする。

「……シュート、ナナミ……少し狂いすぎてたみたいだ。すまん……」

「心配させないでよ……馬鹿……」

「そうですよ。それよりも何で急に攻撃が効くようになったんですか?」

「……それは俺が感染者になったからだ。あいつらの言ってた言葉を思い出してな、もしかしたらと思ってシードを潰して感染者になったんだ。たぶん、それでこいつらにダメージを食らわせたんだと思う」

「感染者ってことはゲツガさんも早く取り出さないと!!」

 シュートは慌ててゲツガに詰め寄るがそれを抑える。

「まずは意識を完全に乗っ取られてるジュンが先だ。俺は後からでいい。それと、ナナミも見ちまったんなら説明しなきゃなんないから後でジュンと一緒に教える。ただし、誰にも喋るなよ。それよりもお前等どうやってノイズから抜け出したんだ?」

「……あれは、ゲツガ君の脱出方法を見てから自分たちもやってでたの。あとこのことは説明するまでどんなことが起きてるかよく分からないけど、とりあえず話しちゃ駄目なの?」

「ああ。それじゃあ、とりあえず取り出し方なんてわかんねえし、口の中に手を突っ込んでみるか」

「そうですね。僕の時はそれで取り出したんですし、でも、その時は口の中にあいつら本体がある時じゃ無かったですか?」

「まあ、試してみるしかないだろ?」

 そしてジュンの口の中に手を突っ込んだ。しかし、特に何もない。あるのは歯と舌ぐらいだ。手を抜き取り、唾液を払い、シュートの持っていた布で拭く。

「特に口の中には何もないな」

「じゃあ、どうしますか?」

「もうアバターだから問題ないと思うから体内から無理やり引っこ抜くしかないだろうな」

 そしてジュンの体の中にいるウィルスの存在を探る。自分も感染者のおかげなのだろうか、ウィルスの感覚が感染していないときよりもよく分かる。そして、心臓辺りにあるのを感じるとそこに向けて拳を握り、拳でアバターを貫いた。


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