狂気による光
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を破壊するために動く。一瞬で距離を詰めると足を払う。しかし、それを避けられるとウィルスは空中から踵落としを繰り出してくる。それを逆に接近して、腿あたりに肘を入れる。その勢いで踵落としに失敗したウィルスは後ろに倒れこむ。
倒れこむ場所に自分も倒れこむように腹の上に肘を出す。倒れた瞬間に自分の肘が見事に腹に当たる。そして更に追撃とばかりに拳を叩き込もうとするが体を回転させて避けられた。しかし、先ほどの一撃が効いているのか先ほどまでの余裕だった表情は険しくなっている。
「はあ、はあ、はあ。どうなってんだよ、こいつ……さっきまでの動きと違うじゃねえか……そろそろ、シードがもう中枢まで到達して意識を隔離してもいいはずなのに何してるんだよ、シードの野郎は……」
そんなの知るか、そんなことを考えてる暇があったら自分の心配をしたらどうだ?俺はお前をぶち壊すまでたぶん止まらないぞ。
徐々に自分の思考が狂気に飲まれていく感じがする。口には出ていないがどんどんと自分の思っていることが狂ったほうに行っている。
早く、早くこいつを壊さなければ本当に自分でもどうなるかがわからない。
「めんどくせー、一気に決めるぞ」
ウィルスはそう呟くように言うと腕をかざした。そして、そこから大きなノイズが発生してウィルスの姿を隠した。次の瞬間にはノイズが消えてウィルスがいた場所も何もいなくなっていた。
たぶんこれは、シードの使っていたものと同じ移動方法だろう。だが、感染した今となってはその移動ルートが手に取るようにわかるようになっていた。
すぐ後ろの何もない空間に手を伸ばす。するとそこからいきなりノイズが発生して腕が伸びてくる。それを掴み取ってそのまま引っ張り、ノイズからウィルスを引きずりだした。
「なっ!?何でばれた!?」
自分の場所がばれたことに驚いていた。
そして、その驚いた表情をぐしゃぐしゃにしたいという欲求が襲い来る。その欲求に耐えることもできず、ウィルスの顔面に拳を叩きこんだ。
「ぶふぉ!!」
そのまま振りぬいてウィルスを木まで殴り飛ばした。そして、その距離を一気に縮めるとその後ろの木にウィルスを叩きつけた。
「ごはっ!」
そしてそのまま木からずるずると崩れ落ちていく。そして尻を地面につけたところで顔面に膝蹴りを叩き込む。そのとき、顔面からぐしゃりとなにかがひん曲がったような音がする。しかし、それを無視して何度も膝蹴りを入れた。
だが、急に後ろから何かに掴まれて動けなくなる。後ろを向くとナナミが必死になって止めていた。そして、今度はシュートが頬を思いっきり殴ってくる。
「いい加減、正気に戻ってよ!ゲツガ君!これ以上はもういいよ!」
「ゲツガさん!いい加減
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