特訓
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りを打ちながら、やはり笑顔を絶やさずに言う。
「やっぱりひーちゃんはやさしーよねー。そんな風に人を寄せ付けないオーラ出してなければもっといっぱい友達できると思うけどなー」
「別に来る奴を拒んだりはしないって、よっぽどの奴じゃなければね。そんじゃシャワー浴びてくるわー」
響が脱衣所に入ったのを見ると本音は小さくつぶやいた。
「……本当にひーちゃんはお人よしだよねー。そこがいいんだけどさー」
同時刻セシリアもまたシャワーを浴びていた。だがその顔はどこか熱を持ったように紅くなっていた。シャワーによるものではないことは明白だった。
「鳴雨……響さん……」
セシリアが呼ぶのは先ほど友達になったばかりの響の名前だった。そしてセシリアの中で繰り返されるのは先ほどの響の言葉。
――――お前の物差しで全部の男が同じだと思わない方がいいぜ――――
「いったい……どういうことなのでしょうか?」
セシリアの悩みは募っていくばかりだった。
某所何処にあるのかもわからない研究所でその人物はモニタに写る一人の人物をじっと見つめていた。モニタに写っているのは響だった。そして再生されているのは響の深度リンクのところだ。
「ふーん。あの子深度リンクができたんだー……おもしろいなー。あのちーちゃんだって一週間かかって会得したのにあの子はものの5分もかからずにやっちゃうなんて。……それに私が作ったISをゴミクズ機械っていう人も初めて見たなー」
そう、この人物こそISを開発した張本人篠ノ之博士こと篠ノ之束だ。束は動画を見ながら口元を不適に歪ませた。
「確かこの子の名前はっと……。あったー鳴雨響ちゃんか。いよっし!!この子はいまからびっきーだ!それもそうだけど、あんなに面白いことしてくれるんだからちょっとしたご褒美をあげないとねー」
束は言うと研究所の奥のほうに行き毛布がかかっているところまで行くとその毛布を勢いよく取っ払った。そこに鎮座していたのは藍色を基調とし、ところどころに金色の彩色がしてあるISだった。
「私を楽しませてくれる子にはお礼をしないとねー。本当は試験機で終わりにして破棄するつもりだったけど……びっきーにあげちゃおー。そうと決まれば調整調整〜♪」
鼻歌交じりにそのISをいじり始めた束の顔は本当に楽しそうに笑っているし、その瞳はまるで新しい玩具を手に入れた子供のように爛々と輝いていた。
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