特訓
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ながら答えた。
「馬鹿者が私が貴様ごときの隠し事など見破れんわけないだろうが」
「別に隠してないっすよ。ただ私は山田先生に頼んだだけです」
「それが私に隠していると言うのだ馬鹿者」
呆れ顔で告げる千冬だがその口元はわずかだがあがって見える。
「それで織斑先生は知ってんだろ?何なんだよISとの深度リンクってのは」
響の言葉に千冬がモニタの数値を一瞥しながら答える。
「いいだろう話してやる。山田先生もよろしいですね」
千冬の言葉に真耶があわてて頷くと千冬が淡々と語りだす。
「ISとの深度リンクとはな、わかりやすく言うなら通常のシンクロ以上のシンクロと言うことだ。ただしこの深度リンクができるのは適正ランクがS以上の者だ」
「てことはAの奴らはできないってことか……。でも何でアンタがそんなこと」
「私のIS適正はSだからな……だが精神が弱いものは例えできたとしてもIS側に振り回されてまともに戦うことすらできない。……というのが私の友人、篠ノ之束が言っていたことだ」
腕を組みため息をつきながら言う千冬だが響はそれに続けた。
「ふーん。じゃあさっきの感覚はそういうことなのか」
「おそらく頭の中に情報がかなりの速度で叩きつけられる感覚がしたのだろう。それが深度リンクの現われだからな」
「あの織斑先生?その深度リンクで体に影響とかは?」
真耶がおずおずと答えるが千冬はトーンを変えずに答える。
「基本的にはない……とは言いたいものの深度リンクを経験したのは私だけだからな。どうにも言えません。鳴雨。今はどんな感じだ?」
「特に変なことはありませんよ。ただ本当にうるさかったですけど」
響の答えに千冬は小さく笑うと続ける。
「そうだな……。あれは確かにうるさいものだ」
自分が経験したことを思い出し少しおかしくなったのか口元に手を当てて笑っていた。ひとしきり笑い終えると千冬は響に告げた。
「まぁ深度リンクを経験した先輩から言わせてもらえば……精神を強く持て鳴雨。そして明日からお前が更識と対戦する日までは私と山田先生が付きっ切りでISの操縦の仕方を教えてやろう」
悪戯っぽい笑みを見せながら言う千冬に響は若干げんなりとしながらも返答した。
「……へーい。んじゃあよろしくお願いします」
渋々ながらの回答にも二人は頷いた。その後は下校時刻までISでの歩き方などの基本的なことを教えてもらい特訓一日目は終了となった。
響が帰宅した後千冬と真耶はハンガーの中で話し合っていた。話題はもちろん響のことについてだ。
「鳴雨さん飲み込みが早かったですねー。もしかしたら実際にやってみると覚えるタイプなんですかね?」
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