第一物語・後半-日来独立編-
第四十一章 秘めし決意《1》
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ります!』
「ししし、でも私も簡単にやられるわけにはいかないからねえ。負けてくれたら嬉しいなあ」
『こちらも負ける気はありませんので、それは無理なお願いです』
「ならしょうがないか」
笑いながら、細めた目で見る騎神。
高速でそのまま行き、途中貼っていた冷却の効力を失った冷却符が剥がれた。
気付きながらも吹き飛ばされた冷却符など気にはせず、正面の相手に集中する。
ヤバい状態だ。
身体は熱いし、それによって思考が定まらない。更に力のせいで魔力が暴走気味で、しばし意識が飛びそうになる。
まだ、かなりヤバい状態、ではないので助かっているがそうなったら何が起きるか分からない。
早々に決めなければ、と焦る気持ちが湧いくる。
そして正面から二つ。
黒と青が交差した。
●
戦竜は右手に握った流魔刀を正面から来る魔法術師に向かって、上から振りかざす形で下へ振り抜く。
だがマギトは小柄な身を利用して隙間を潜るように、振りかざしの際に開いた脇へ突っ込んだ。
風を切る音と共にマギトは斬撃をかわし、騎神の背後へと行った。
すぐに身体を反すように魔箒│《イビルブルーム》を操作し、即座に魔箒から降りて、銃砲口でもある加速機を騎神に向ける。
迷い無くトリガーを引き、魔力が込もった銃弾が十数発、空を走る。
走る銃弾は騎神の背に直撃するが、装甲がけこむ程度でしかない。
くるりとマギトに顔を向ける騎神は加速機を噴かし、背後にいるマギトに迫る。
『食らえ――!』
片手による斬撃は大気を切り、そのままマギトへと向かう。
それを金の翼を羽ばたかせることで回避するが、大気を切ったことにより生まれた風に吹き飛ばされた。
「ああ……!」
空で数回転しながらも翼を広げ、風の抵抗を強めてブレーキとする。
視界が回りながらも徐々に回転は修まっていき、視界が定まっていく。
定まった視界が捕らえたのは、風を割いて来る騎神。
追撃だ。
休む暇も無く翼を羽ばたかせて、青の空を魔箒を使わず飛ぶ。
乗る隙を与えないためか、騎神は加速機を無駄に噴かせて距離を縮めようとする。
なのでマギトは片手だけで魔箒の加速機を噴かし、生まれた衝撃を移動して翼で身を操作する。
身体が揺れ、同時に視界も揺れるなかで騎神との距離を保った。
縮まれば流魔刀の餌食となる。
嫌ならば、こうして距離を保つしかない。
「全くさあ、魔法術師はこんなことしか出来無いわけじゃないよ」
言うなかで、空いた左手の人指し指で宙に星を描いた。
するとまるで映画面│《モニター》が表示されるように、宙に赤の星が一つ浮かび上がった。
マギトはその星の中心に円を一つ描き、その円のなかに騎神を入れる。
上下左右に揺れる騎神を何とか入
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