マザーズ・ロザリオ編
転章・約束
瞋恚の紅蓮
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ペースに呑まれていたノームもそれに気がつき、勝ち誇った態度で武器を構え直す。
総勢50名強。
絶対的多数のしかもボス戦を前提とした精鋭部隊だ。最早ここまで。こうなれば戦えるだけ戦おうと、ユウキ達と視線を交わし、臨戦体勢に入った瞬間―――、
ヒラリとどこからともなく人影がアスナ達と援軍の前に降り立った。
紅蓮のフード付きマントを羽織り、巨大な大太刀を背負うその姿はアスナのよく知る人物だった。
しかし、乱入者は彼だけではなかった。軽快なリズムで超高速移動する足音。ただし、それは地面をではなく壁をだ。
2人目の人影は援軍を丸ごと追い越すと悠々と床に飛び降り、靴底のスパイクから盛大に火花を散らしながら制動という、真反対の派手な登場をした。
2人の剣士は背中の剣を同時に抜き、背中合わせに立つと剣を火花を立てて床に突き刺した。
「悪いな、ここは通行止めだ」
「と、言うわけで既に立ち入っちゃってるアンタ等は退場だ」
乱入者――レイの視線はアスナ達の更に奥、20人程のプレイヤーに向けられている。
しかし、多勢に無勢は変わらない。その余裕もあってか、増援部隊のリーダー格であるサラマンダーは呆れが混じる苦笑をしながら声を上げた。
「おいおい、《黒ずくめ》先生に《紅炎刀》先生よ。幾らアンタ等でも、この人数を2人で食うのは無理じゃねぇ?」
「どうかな、試したことないから解んないな」
「一応、Mob1000体なら……あ、1匹取り逃したから999体か」
「え、何お前。アレ結局負けたのかよ」
「いやいや。流石に最後の巨人は無理っしょ。スリュム位はあったぜ」
2人が緊張感かける場違いな掛け合いを始めたのを辛抱強く耐えていたサラマンダーは手で2人を制すると、右手を持ち上げた。
「はいはい。続きはセーブポイントでやってくれ。……メイジ隊、焼いてやんな」
指揮官の合図と同時に軍勢の後方からスペルワードの高速詠唱。2人はそれに動じず、レイだけが一歩前に、アスナ達の方向に近寄る。避けようとしての事ではない。
キリトと互いを邪魔をしないための最低限の距離だ。それぞれに七発ずつのシングルホーミングの絶対必中の魔法が放たれる。
――キリトが剣を床から引き抜きた長剣を右肩に担いで構え、その刃に深紅色のライトエフェクトを宿した。ソードスキル、7連撃《デットリー・シンズ》
――レイの大太刀が床に刺さったまま燃え上がり、溶け、所有者を燃え尽くさんばかりの勢いでその身を包む。それはさながら優美な衣の様。焔鎧・弐式、《灼焔霊衣》
キリトが魔法を切り裂き、レイの衣が魔法を燃やし尽くす。
「マジかよ……」
何も知らない大
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