暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
マザーズ・ロザリオ編
転章・約束
瞋恚の紅蓮
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ユウキは昨日と同じ黒のハーフアーマーに細身のロングソード。
サラマンダーのジュンは小さな体に不釣り合いな赤銅色のフルプレートをがっちり装備し、背中には身の長さと同じ程もある大剣を吊っている。
巨漢ノームのテッチも同じく肉厚のプレートアーマーに、戸板の如き巨大なタワーシールドにゴツゴツした重量感溢れるヘビーメイス。
レプラコーンのタルケンは細身の体に真鍮色のライトアーマー、武器は細長いスピア。
その隣に立つどこか知り合いのウンディーネに似た雰囲気を醸し出すスプリガンのノリは布装備に鋼鉄のクォーター・スタッフを担いでいる。
唯一のメイジであるウンディーネのシウネーは僧侶風の白と濃紺の法衣とブリオッシュ(フランスの菓子パン)のように丸く膨らんだ帽子を身につけ、右手に細い銀色の長杖を携えていた。

普段の仲間達とパーティーを組むと全員がダメージ重視志向の『やられる前にやってしまえ』装備・能力構成なので、こうバランスがとれたパーティーはどこか新鮮な気もした。

強いて言うなれば支援役と回復役が少し弱い。

「ん、これだったら私も後衛に入った方が良いみたいね」

しかし、これは予想出来ていた事だった。と言うのも《森の家》を出発する直前、皆からポーション等を餞別で分けて貰った際、レイが無言で効果の高いMPポーションを渡して来たからだ。

―――昨日の夜、螢は明日奈に少しだけ昔話をしてくれた。自分が昔、勝手な都合で見捨てた大切な人の話を。

『俺は、彼女に恨まれてるかもしれない』

そう言った螢の声は何時になく、震えているような気がした。

だから、明日奈は伝えたのだ―――

「さてと、ちょいとボス部屋を覗きに行きますか!」
「おー!!」





―――この満面の笑みを浮かべる少女が、どんなに彼に会いたがっていたかを





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通常は3時間はかかるであろう迷宮区をたった1時間で踏破してしまったのは単純にユウキ達の圧倒的戦闘力に起因する。
アスナが手を出す間も無く、最小限のジェスチャーだけで切り抜けるのだ。
ボス部屋へ続く回廊を歩きながら、アスナは少々ぼやきたい気分で傍らのシウネーに囁きかけた。

「なんだか……私、本当に必要だったのかなあ?あなた達を手助けできる余地なんて、ほとんどないような気がするんだけど……」
「いえ、とんでもない。アスナさんの指示があったからトラップも一度も踏みませんでしたし、戦闘もすごく少なくてすみましたし。前の二回では、遭遇する敵全部と正面から戦っちゃったので、ボス部屋に着く頃には随分消耗してしまって……」

それはそれで凄い事なので、
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