マザーズ・ロザリオ編
転章・約束
剣士の選択
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。元々アレはナーヴギアの……)
「……くん、レイ君ってば!」
「ん……ああ。何だ?」
「どうしたの?そんな怖い顔して」
「え……。……いや、何でもないよ。それよりほら、行ったらどうだ?」
「……うーん、私、もっと大柄の筋肉マッチョを思い浮かべてたから、まだ心の準備が…「無問題」…って、わあ!?」
話を逸らす意味も含めてアスナをひょい、と持ち上げると輪の内側に軽く放る。
「あ、お姉さん、やる?」
ニコッと笑いかける《絶剣》をさりげなく観察し、再度受けた衝撃を表に出さず中央に渋々進み出ていくアスナに手を振りながら自分を納得させた。
―――間違い、無いあの笑顔を忘れる筈がない。
彼にだけ分かりうるこの世で最も悲しい笑み。
昔はその笑みを見ると顔が綻んだ。しかし、《本物》はその数倍は美しく、愛らしい。
「……機は熟せり。いや、ちょっと早すぎかな?」
ため息がちに呟いた彼はまだ知らない。この《再会》が『始まり』であり―――、
彼にとっての『終わり』である事を……。
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熾烈極まる打ち合いの果てに、《絶剣》はついにOSSを使い、アスナを下した。
「うーん、すっごくいいね!お姉さんに決ーめた!!」
……相変わらずのマイペースではあったが。
その後、
「ねぇ、キリトいいの?」
「え?何がだ?」
「アスナ、何だかよく分からないけど拉致されたわよ?」
「うむ……まあ、大丈夫だろ。なあ?レイ」
「……俺に振られてもな。まあ、大丈夫じゃないか?」
「の、のんきな……」
絶剣の突然の退場にポカンとしていた回りの面々も釈然としないながらも解散していく。一方、俺達は突如として出来た暇な時間を使って素材集めでも行こうという事になり、一端三々五々に解散した。
一度《森の家》に戻るというキリトとユイに追随しながら俺は考え事に耽っていた。
何故、《彼女》はこの世界にやって来たのか、目的や動機、何より今、何を考えているのかを知りたかった。
―――直接話したい。謝りたい。あの日、あの時、身勝手な理由で彼女に重荷を背負わせた事を、約束を守れなかったことを……。
「にぃ?どうかしましたか?」
「え、ああ……。ちょっと考え事さ」
「どうしたんだよ。さっきから考え事ばかりして……」
「……………」
そんなに顔に出ていただろうか?だとすれば皆に余計な気を使わせる事になり、居心地悪いこと甚だしい。
「……調子悪いんだったら、今日は落ちるか?」
「……いや、大丈夫だ。
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