第21話
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色の輝きを放ちながら、空を駆ける。
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教師が眺めるモニターの向こうで、智春が攻勢に出た。
刀剣で葵の槍に数度打ち勝ち、一度距離を取った葵に指のエネルギー弾が直撃。先制の分を返した。
『素敵すぎるな、君は!これ以上私を好きにさせてどうするつもりだ?』
『どうもしない!』
素直に気持ちを言葉に乗せる葵と、にべもない智春。
益々激しくなる攻防と相反するような恋の駆け引きに、ある教師は笑い、またある教師は反応に困るのであった。
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葵の荷電粒子砲をスフィアで反らす。返す刀で、エネルギー弾を発射、メイスで叩き潰され、小規模な爆発が起きる。
飛び道具の性能は互角、武装の種類、手の豊富さは葵が、攻撃力は俺が上。
但し、どちらもそれ以上の防御能力を有するため、戦況は膠着している。
空を地をと縦横無尽に駆け回る俺と、山のごとく待ち構える葵という構図は、一見派手な攻防に見えるが、実際は大変地味な戦闘になっている。
「私はこのままこの時間が続いても良いが…、観客を飽きさせては忍びない。受け止められるかな!?」
葵が槍とメイスを『合体』させた。一つになり、『杖』になった得物を俺にかざす。杖の先から真紅の複雑な模様の円が出現し、雨のような光線が、襲い掛かる。
「杖に『陣』に大量のビームに…、いつからISはファンタジー要素を採用したんだっ!」
縦に横に刀剣を振るい光線を防ぎながら、葵に近付く。リスクは高いが、飛び道具が有効でない以上、接近戦に持ち込むしかない!
そう決意した俺の攻撃が届く目前まで辿り着いた瞬間、光線が止んだ。
「君は実に現実的だ。己の現状に最も適した選択をとる」
静かな葵の声が響く。誘い込まれた…!?
「大技で決めに来たと見て、ハイリスクハイリターンの近接戦闘を選んだ。だが、それこそ私の狙い!」
突き付けられた杖から眩く真紅の輝きが溢れる。
「これがっ!私の本命だ!」
杖から発射された特大光線を、間一髪スフィアで防ぐ。が、出力に負け、反らしきれない威力がシールドを削る。
ステージ全体を震わせるほどの光線は、俺を大きく後退させて収まった。
どうだ、と笑う葵に、こちらも笑いを返す。ピンチだからこそ、追い詰められたからこそ、ふてぶてしく。
「システム起動、ヴァンガード!」
俺のコールにヴァンガードが応える。ハイパーモード、ここまで来たら、それしかない!
全身から黄金の輝きを発し、ステージが白光に包まれた。
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白光が消えると、閉じていたウイングが広がり、刀剣を眼前に掲げると、刀身の色が変わる。翡翠色から、黄金に。
同時に、身体の装甲も翡
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