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IS〈インフィニット・ストラトス〉駆け抜ける者
第21話
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楽しみでならない。

「インペリアル・ダンサー…、その二つの顔、貫かせてもらう!」
「なら私は、空を制するヴァンガードの羽根に触れて見せる!」

俺が翡翠色の刀剣を、葵が大振りのメイスを展開し、二つの得物が火花を散らす。

再度互いの背から、エネルギーが噴出した。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「ほわぁ〜…。織斑君も凄いと思いましたが、丹下君はそれ以上ですね…、織斑先生」
「私からすればまだまだだ。だが、楽しみであるな、山田先生」

智春を見届けた後、別室で待っていた山田先生と合流した千冬は、モニターの戦闘に目を微かに細めていた。

「そうですね。前代未聞のIS同士の対決、どう転ぶか…」
「ああ、それに木之本の直球公開告白に丹下が耐えられるかも、な」
「織斑先生?ご、ご冗談ですよ、ね?」
「…以前私は冗談が嫌い、と言ったはずですが山田先生?」

笑顔がひきつる山田先生と至極真顔な織斑先生。モニターの向こうには、更に愛を伝える葵と、凄く困った顔の智春が映っている。

冷やかしを大いに含んだ歓声が響くなか、二人の教師は教え子の『晴れ舞台』を見守るのであった。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「身持ちが固いな、葵!」
「触るのは色事の時にして欲しいな!」
「言うじゃないか!」

刀剣とメイスが幾度も衝突し、鈍い音を立てる。

侮っていた訳ではないが、手強い。油断すれば、あっという間に持っていかれてしまう。

「やるしかない、か。ならばっ!」

メイスを弾き、大きく後ろに跳躍。『奥の手』、切らせてもらう!

俺の意思にヴァンガードが反応し、背後のウイングが『射出』され、残った部分から濃紺のエネルギーがウイングの形に噴出される。

「撃ち抜け!」

俺が葵を指差すと、ウイングが各々別の角度から葵に襲い掛かる。

六基の独立したウイングの複数の方向からの攻撃、受けてみろ!

「左右も、後ろも逃げ場はない…、流石は私が好きになった人だ」

葵は不敵に笑うと、身を屈めた。マズイ!
「だが…、退きはしない!」

ウイングが当たるより一瞬速く葵は動き、装甲を開いた。反応はした。だが、行動が間に合わない!

「グッ!」

葵が展開した真紅の槍が、俺のシールドを削った。お返しと指のエネルギー弾を放ち、ウイングで攻めるが、当たらない。

「どうした!?君の力、そんなものなのか!?」

葵が愉快そうに挑発してくる。彼女は、俺の訓練をずっと見てきた。見てきた上で、全部出せと要求している。

「楽は許されないか…。…行くぞ!」

角と、各部装甲の一部が開く。開いた装甲の間に、翡翠色の輝きが発生する。

「『オープンモード』起動!貫け、ヴァンガード!」
装甲から翡翠
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