お出でませ、魔の島
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<魔の島>
町の嫌われ者を自主的に出て行かせたリュカは、サマンオサに次ぐ慕われ様で町民達に持て成され、惜しまれながら翌日出立をした。
そして一行はリムルダールより西に4日の距離にある、最も魔の島と近付く突端へ辿り着く。
「ルビス様…ここでよろしいのですか?」
アルルが懐から『虹の雫』を取り出し、ルビスへ確認をする。
「ええ、この場で虹の雫を天に掲げ、心より祈りを捧げれば虹の橋が架かり、魔の島へと渡る事が出来るでしょう」
ルビスの言葉を聞き、アルルは言われた通りに虹の雫を空高く掲げ、目を閉じて祈りを捧げる。
するとアルルを中心に七色の光が溢れ出し、美しい虹が目の前に現れた!
そして次の瞬間には虹が橋になり、魔の島への架け橋になっていた。
目の前で起きた出来事に驚き感動していると、そう言う事に慣れてしまったリュカ一家が、家長を先頭に勝手に橋を渡り出す。
「虹が橋になるなんてメルヘンチックで良いわねリュカ?」
「うん、そうだね。愛し合う者同士で渡ると幸せになれるってジンクスを勝手に作っちゃおう!」
「父さん…これから敵の本拠地に赴く橋なのだから、そんなジンクス駄目でしょ!?」
「あら!?お兄様ちゃんはロマンがありませんですわ!男女に立ちはだかる困難…それに立ち向かう為、愛の絆を強くする!そう言う橋ですわ!」
一家揃って身勝手な会話で先へと進む…
「なるほど…じゃぁ僕はアルルと共に渡らないと………あれ?どうしたのアルル…渡らないの?」
勝手に作ったジンクスの為、愛するアルルと共に渡ろうと思ったティミーが振り返ると、呆然とするアルル達が佇んでいる。
「わ、渡るわよ!………はぁ〜…やっぱりティミーもリュカ一族なのね…」
慌てて橋を渡り出すアルル…
「な、何でそんな失礼な事を言うの?」
自分の家族に対し、もっと失礼な事を言うティミー。
「だって…普通、虹で橋が出来上がったら驚いて直ぐに行動出来ないでしょ!……でもティミーはこう言う不思議な現象に慣れていて、驚きもしないじゃない!リュカ一族の血筋よね…」
「えぇ!!?そんな…だって…別に…ねぇ?」
足早にティミーの隣まできて、唇を尖らせ拗ねてみせるアルル…そんな彼女の行動に困り、父に目で助けを求めるティミー。
「何だ…もう破局したのか!?早いだろうなぁ〜…とは思っていたが、これ程までとは…まぁいいんじゃねティミー。グランバニアに戻れば、王子様なお前は引く手数多だ!前向きに行こうよ(笑)」
助けるどころか別れる事を前提にしたリュカのコメントに、アルルは慌ててティミーの腕に抱き付き言い返す。
「は、破局なんてしてないわよ!私はティミーと一緒に感動を分かち合いたかっただけなの!ティミーを手放す訳ないでしょ!」
「…何だ…遂に息子の好色時代到来かと
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