お出でませ、魔の島
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思ったのに…残念だなぁ。身に覚えある無しに拘わらず、多数の女性とその子供に囲まれて、家督相続問題で大混乱するティミーの姿を見たかったのになぁ………」
「変な願望持たないでください!例えアルルにフラれても、父さんの様に手当たり次第に子孫繁栄する事などありませんから!同系列で考えないでください!」
アルルと抱き締め合いながら、リュカの言葉にツッコミを入れるティミー…しかし、状況的には助けられたので、満面の笑みである。
「あらあら…リュカ君の家庭には大混乱の兆し有り?」
娘カップルを羨ましそうに眺めてたアメリアが、リュカの家庭を心配するフリをして、夫が不在なのを寂しがる。
「そうよ。どっちかつーとお父さんにこそ訪れそうなシチュエーションでしょ!」
「え?僕には訪れないよぉ〜…だって欲しい人に家督はあげちゃうもん!先着順で欲しいと言った人にあげちゃうからね(笑)………マリー、要る?」
「いらな〜い…お姫様という立場の方が気楽でいい」
屈託のない笑顔で完全拒絶するマリー。
「父さんの統治は完璧すぎるんです!跡を継いだら混乱を起こしそうで、怖くて継げませんよ」
「リュカはそんなに民に慕われる国王なのですか?」
目の前の異世界から来た王族の会話を見て、強制召還の一翼である女神ルビスが驚き尋ねる。
「そうなんですよルビス様? リュカが統治を初めて10年も経過てないのに、国力は5倍以上に、人口はそれ以上に増大し、周辺諸国を圧倒的に追い越したんですよ!」
ビアンカは愛する夫の偉業を、異世界の女神に嬉々として語る。
そんな緩い会話を楽しみながら、アルル一行は全長10キロ程の橋を魔の島へ向かって渡りきる。
するとそこには、今まで見た事ないモンスター…『ヒドラ』が待ち構えていたかの様に現れ、不意を突いて攻撃をしてきた!
一番先頭を歩いていた為、ヒドラの吐く炎をまともに喰らいそうになったリュカは、思わず攻撃してしまい一瞬で敵を絶命させた。
《あ、しまった!ビアンカと共に歩くレインボーブリッジ(笑)がロマンチックで先頭を歩いていたけど、渡りきった途端攻撃されるなんて考えてなかったから、余計な事をしちゃったかも…》
心ならずも若者達の役目を奪ってしまい、そんな事を思いながらゆっくりとアルル達へ振り返る。
案の定…妻・子供を始めとし、旅の仲間達の羨望の眼差しがリュカの身体に突き刺さる。
「あ…こ、これからは気を引き締めて行こう!もうここは魔の島で、何時何処から攻撃されるとも限らない。…つーわけで、僕は最後尾を守らせてもらいますぅ〜」
リュカは少しでも身を小さくし、アルル一行の後方へ就こうと動き出す。
「ちょっとリュカさん!こんなに強い敵が蔓延ってるのだから、リュカさんが先頭で活躍してくださいよ!
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