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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第104話】
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触――と見せ掛けてホイールで左へと避け、一夏と擦れ違い様に天狼による突きの一撃を一夏の脚部へと加えた――加速していた事もあり、一撃でアーマーブレイクし、脚部装甲は大きく破損し、割れていた。
――天狼自体にダメージが無いのは作り手が優秀なのか、または素材が硬い物で出来てるのかはわからないが――。
何にしても、瞬時加速は一直線で来るのが丸わかりだから慣れれば避けた上で一撃を与えられるようになる――のは一夏だけで、ラウラの瞬時加速はまた一夏とはタイミングが違ったり、ワイヤーブレードを駆使して攻防――又は伸縮するワイヤーを利用しての瞬時加速による旋回を行ったりする――という最後の話は本人談、ラウラが今朝俺に話してくれた。
――まるで何処ぞの巨人でも倒すのに必要な使い方だなって聞いてて思った。
破損した脚部からは一夏の生身部分の脚が見え、多少の機動性を奪えたと俺は判断し――背部ブースターを再度点火、加速力をつけた蹴りを腹部装甲へ衝撃を与えた――。
「ぐ……はぁっ…!」
その衝撃がもろに伝わったのか、苦悶の表情に変わる一夏――だがその目はまだ諦めていなく、何とか俺の蹴りによる一撃を踏ん張ると縦に袈裟斬り――。
それを天狼で受け止めると鈍い金属音と共に小さな火花が上がった。
上から押さえ付けるように力を込める一夏――それを押し返そうと更に力を込める俺――互いの場は拮抗し、ギチギチと刃が重なる音が聞こえる。
「ッ……ヒルトってこんなに強かったか…!?」
「は?……何言ってるんだ?まだまだ強くなったなんて思えないぞ…俺はな!!別に強くなりたいと思った訳ではないが!」
押す力を利用して刀を引き、その拍子に前のめりに体勢を崩した一夏の手元に勢いつけた蹴りによる一撃を加えるや、手に持っていた雪片を手放す一夏――空を舞い、アリーナ地表に突き刺さった雪片を拾うべく、加速して雪片の元へと一夏は向かうが――。
「悪いな一夏、手放した雪片を取りに行かせるほど俺は甘くはないさ、これがな」
そう告げ、回り込む様に立ち塞がると一気に振り抜く様に天狼による横一文字斬り――クリティカルヒットしたかのように一夏のシールドバリアーは斬り傷から崩壊していき――当たった天狼の刃は絶対防御を発動させて一夏のシールドエネルギーは0に――。
そして一夏は悔しそうに膝をつき、地面を殴る――。
「あー、ヒルトに初めて負けた……」
「……そういやそうだったか。なら俺の初勝利おめでとうって事だな、これが」
……勝てたのは嬉しい事だが、相手が一夏だからなぁ……。
「んじゃ、模擬戦も終わったし俺は戻るぞ?」
「あ――なあ、ちょっといいか?」
「……何だ?」
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