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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
一部:超絶美少女幼年期
十四話:ものは考えようです
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けど。ばけもの?わるいこ?たちを、たおせば、いいんですか??」

 小首を傾げて問い返すドーラちゃんに、尤もらしく、重々しく、頷いて見せるオッサン。

「うむ。死して(からだ)を喪いしこの身の上では、助力すること叶わぬが。其方らが往くべきその道を、導くことは、出来ようぞ。城の地下の(くりや)より、聖なる力を秘めし(たいまつ)を持ち、魔界の亡霊を(しりぞ)けて、憎き奴等めを、いざ!討ち果たして参れ!」

 あー、はいはい。

「ちかに、たいまつが、あるんですね?わかりました!いきましょう、ビアンカおねえさん!」
「え?……そ、そうね!行きましょう!」

 オッサンはまた重々しく頷き、またふわりと浮かび上がって、扉をすり抜けて城内に戻ります。

「おいかけましょう!きっと、みちを、おしえてくれるんですよ!」
「そうね!よーし、行くわよ!」



 目的がはっきりしたところでビアンカちゃんも気を取り直し、再びめんどくさいオッサンを追いかけます。

 オッサンは大仰な身振りで錫杖(しゃくじょう)を振るい、閉ざされた扉を開いてくれながら、先導して飛んで行きます。

 アレだ、芸人さんかなんかだと思えば、面白いと思えないこともないね!
 そういうアトラクションだと思えばいいんだよ!
 乗るか!折角だから!


 気分を切り替えて楽しくナビゲーターのオッサンを追いかけてると、大広間に出ました。

 哀しげに嘆き声を上げながら、騒々しい音楽に乗って、幽霊たちが踊ってます。

 その幽霊たちを囃し立て追い立てて、化け物たちが笑ってます。

 ……待ってて!みんな!
 すぐに私たちが、助けてあげるから!(アトラクションの正義の味方役のノリで)


 自分の無力さを噛み締め、みんなの嘆きを振り払うように歯を食い縛って(役作り)走り抜け、立ち止まったオッサンが錫杖を振りかざして階段を指し示すのを、ハッとした様子(の演技)で見つめます。

「さあ!往け!」
「はい!いってきます!」

 ビアンカちゃんと頷き合い(完全にその気ですね、ビアンカちゃん!)、地下の厨房に続く階段を駆け降ります!

 アトラクションのキーアイテム、聖なる松明(たいまつ)を目指して!!
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