暁 〜小説投稿サイト〜
世界征服を剣のみで行おうとする猛者が降臨しました。
第二話
[1/3]
[8]
前話
[1]
次
最後
ーーとてもじゃないが、減る腹。
まだこの世界に来てそれほど経ってはいないのだが、これだけ身体を動かせば腹が減る。当たり前だ。
「ここら辺で食料は無いのか?」
「真っ直ぐ行けばどっかに着くんじゃないか?」
「わ、分かった。後、人がいるところでお前は話すな」
「えっ……」
「聞かないとこの剣捨てるぞ」
「分かった」
いやぁ、最強の男(?)も弱点さえ知ればどうってこと無いな。
光が見えてくる。勿論朝日ではない。街の光だ。コイツのカンは冴えている。まだ明るいから今は真夜中では無いのか。
街の入り口に一人の影があった。がたいの良い男だ。
「お? お前、旅人か?」
「……ああ、まあな」
その男は俺を見つけると、俺に興味を示してくれたようだ。丁度いい。宿の交渉でも……。
「おう、お前家はあるのか? 食料も」
「一文無しだ。魔物に奪われちまってな」
「そんな知能の高い魔物がいるとは……。うちに泊まりな」
「本当ですか!?」
「ついて来い」
作戦成功だ。今日のお宿はこの人の家だな。
「俺の名前はクリスだ。お前は?」
「俺はな…………マキ」
真っ赤な嘘。反省はしているが後悔はしていない。因みに本名は飯島
いいじま
誠司
せいじ
。
「珍しい名前だな。覚えておこう」
と呟きながら歩き続ける。この男は、俺の名前が珍しく無かったら覚えようともしなかったらしい。
街並、ってもここは村なのだろう。木で造られた家。あまり整備されていない道、柵で囲まれ、じっとしている、牛。遠くまで広がる、畑。村だな、これは。
「ここが俺の家だ」
中でも少し目立っている家が、このクリスの家らしい。目立っている理由はその大きさだろうか。まさかクリス、村長か……?
「おじゃまします」
「ほら、入口近くのその部屋使え」
「あ、どうも」
そこそこの大きさの部屋だった。予想通り木材の床であったが、ベッドもあって、しっかりしている。
「今日は遅いし、もう寝た方が良い。このおにぎりやるから。じゃあおやすみ」
「おやすみなさい」
「危ない」
壁に立て掛けようとした剣が反応した。
「その飯を口に含むんじゃない」
「は?」
「それには毒が含まれている、死ぬぞ」
「いや、意味が分からないんだが」
「村ってのはそう言うもんだ。怪しむのが当たり前なんだよ」
「じゃあ何でこれが毒って分かったんだよ」
マキと話している間に部屋の外でドタドタと物音が聞こえた。
「お前、話してるのがバレたみたいだな。俺は身体を動かせないからサポートは難しい。だがこれは分かる、このドアを突き破ってお前を餌にするつもりだ。死にたくなければ、窓を割って逃げるか、ここで待ち
[8]
前話
[1]
次
最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ