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MASTER GEAR 〜転生すると伝説のエースパイロット!?〜
006
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入れた?」
「ええっと、その……わ、分からないんです」
「分からない……だと?」
狼の耳を生やした艦長の冷たい視線に気圧されながらハジメが答えると、コロネル大佐の目がさらに鋭くなる。
「いや、本当に分からないんですよ。僕、気がついたらリンドブルム……外にある戦艦のブリッジで倒れていて、格納庫で見つけたサイクロプスに乗って外を出たらルナール少尉達が乗っていた救助挺を見つけて……。自分でも何でリンドブルムに乗ってあの宙域にいたのかさっぱりで……」
嘘は言ってはいない。ハジメは自分が一度死んでこのゲームの世界に転生したことは理解しているが、何故転生できたのか、何故転生先が自分がゲームで作り出した戦艦の中なのか、こちらが教えてほしいくらいだった。
「気がついたら戦艦のブリッジで倒れていた? ……記憶障害だとでも言うのか?」
「さ、さあ、どうなんでしょう?」
「………」
「………」
嘘は見逃さないという目で見つめるコロネル大佐と冷や汗を流しながら見つめ返す一。しばらくの間見つめあう二人だったが、先にコロネル大佐の方が諦めたのかため息をついて目を閉じる。
「いいだろう。まだ全てを信用したわけではないが、ここはそういうことにしておこう」
「は、はい……」
「ただし、貴官にはしばらくの間、私達と行動を共にしてもらう」
当然のように言うコロネル大佐のハジメは目を見開いて驚く。
「ええっ!? 何故ですか?」
「決まっている。貴官のような強大な力を持った正体不明の人間をこのまま野放しにはできんからだ。……だが安心しろ。貴官は我が艦の恩人だからな、悪いようにはしない。大人しくついてきてくれるのなら、傭兵扱いとしてゴーレムと戦った報酬を出すように上層部に申請しても……」
「あ、それだったら一つお願いがあるんですけど」
コロネル大佐の言葉を遮ってハジメは右手を小さく挙げて発言する。
「……何だ?」
「この艦と一緒に行動してもいいんですけど……その間食糧を分けてもらえませんか? 実は今まで何も食べていなくて……」
『………』
左手を腹に当てて恥ずかしそうに言うハジメを、格納庫にいた全員が何とも言えない微妙な表情で見た後、コロネル大佐がため息混じりに口を開いた。
「……誰か、彼を食堂に連れて行ってやれ」
「急にワガママを言ってすみません」
「いえいえ、ハジメさんは私達の命の恩人ですからね。これくらいは何でもないですよ」
食堂に案内されたハジメが謝ると、厨房で彼のために料理を作っているファムが手を休めずに明るい口調で答えてくれる。
今この食堂はハジメとファムの二人しかおらず、ファムが料理を作る音だけが食堂を支
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