キャリバー編
百二十三話 年末の大イベント
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エクスキャリバー》
ALOにおいて、現在最強とされる、《魔剣 グラム》を唯一超えるとされる、本当の意味でのALO最強の剣の名前だ。
と言ってもその存在は、ALOの公式サイトで武器銘紹介ページの一番下に存在だけが示されるだけで、実を言うと殆どのプレイヤーはその所在を知らなかった。
しかし、読者諸君も知っての通り、此処にいる桐ケ谷家の三人兄弟。和人/キリト。直葉/リーファ。そして涼人/リョウコウと、一緒にいたユイの四人だけは、ALOでトンキーを救出した際に、偶然にも実際にその所在を確認していたため、それが何処に有るのかを知っていた。
と、訂正しよう。正確にはその後でアスナとサチにもその事を話しているので、四人ではなく六人だ。とは言え、それを見つけたのは今年の一月。今は十二月も終わりなので、実に丸丸一年、その所在は彼らしか知らなかった訳だ。
「うぅーーーーーん、とうとう見つかっちまったかぁ……」
「まぁ、これでも結構時間かかった方だと思うけどね」
苦笑しながら直葉が紅茶を飲んだ。と同時に、和人コーヒーを口に含みつつ残念そうに言う。
「あぁー、こんなんだったらもう一回くらい挑戦しときゃよかったなぁ……」
そんな和人の発言に、涼人が首を傾げた。
「ん?発見って……誰かゲットしたって事なのか?」
「ううん。お兄ちゃん早とちりしてるよ。まだ入手までは行ってないみたいだから」
「なぬっ!?」
首を横に振った直葉に、和人が慌てたようにタブレットを再び覗き込む。数秒して、和人は安堵したように息をついて口を尖らせた。
「なんだよ、脅かすなよ……」
そこで再び和人はコーヒーを口に入れようとしたが、ふとしたように首を傾げる。
「でも、そういやどうやって見つけたんだ?ヨツンヘイムは飛行不能だけど、俺達みたいに飛ばなきゃエクスキャリバーは見つけられっこ無いだろ」
和人達がエクスキャリバーを初めて見つけた経緯は、読者諸君も知っての通りだ。と、その時の記憶を頭の中から呼び起こしていたらしい和人に、直葉が微笑みながら言った。
「お兄ちゃん、あの時すっごく迷ってたもんね。トンキーに乗ったまま地上に戻るか、ダンジョンに飛び移ってエクスキャリバーを取りに行くか」
「う……ま、まぁ、そうだけどさ、けど敢えて言わせて貰うなら、アソコで迷わない奴を俺はネットゲーマーとは認められない!」
「お!よく言ったカズ!!!」
「おう!!」
「二人とも、それあんまり格好良くないよ」
和人とその言葉に大袈裟に手を叩いた涼人に直葉がにこやかな顔でバッサリと突っ込みを入れた。
言われた二人がガクリと落ち込むのを面白がるように笑う直葉に口を尖らせつつ、涼人がふむんと考え込んだ後で言った。
「つーことは……トンキーみてぇのを俺らと同
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