キャリバー編
百二十三話 年末の大イベント
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て見たかったんだよね〜」
ニコニコ顔で言うと同時に、直葉はナイフでそれを軽く切って口に運ぶ。和人などはソースで手が汚れるのも構わず手掴みだが、まあその辺は人それぞれなので特に制限もない。ちなみに涼人も手づかみだ。そして……
「(んぐっ)」
「(はぐっ)」
「(もぐっ)」
三人同時に、それを食べる。もぐもぐと少しかむと、三人ともそれぞれの表情で言った。
「んん!おいひぃ!!」
「へぇうも(ま)いじゃん……んぐっ」
「ふむ……ま、イケるな」
ベーコンのカリカリとした触感に、塩気。卵のぷりぷりとした触感。焼いたマフィンのサクサク感と、ソースの酸味。成程、流石に有名なメニューなだけあって、なかなかに美味い。
「うん!また作ってね!りょう兄ちゃん!」
「断る。お前コレ結構面倒臭ぇんだからな?」
ふんっ。と鼻を鳴らして答えた涼人に対して、和人が片手を上げた。
「俺も個人的にはまた喰いたい」
「ほら!お兄ちゃんもこう言ってる!」
「手前で作れお前ら!!」
そんな事を言っている間に、皿の上はドンドンと片付いて行くのだった。
────
「……ふぅ」
いち早く食べ終えたリョウが立ち上がり、和人達に振り向いて言った。
「お前ら茶は?」
「あ、私一杯」
「俺はいいよ。コーヒーあるし」
「よく飲めるよな。それ」
「慣れれば美味いんだけどなぁ……」
呆れたように言った涼人に、和人はふむん。と息を吐きながら言った。直葉の「そう言う所だけ子供だよね〜」と言う発言に、涼人は「ほっとけ」と返す。
「あ、そーいえば……」
と、そんな話の中、不意に直葉が思い出したように、先程から彼女の懐に置いてあったタブレット型携帯端末を取り出す。それに直葉は何事かの操作をすると、それをそのまま和人に向けて差し出した。
「お兄ちゃん、これ見て」
「?」
差し出された端末を見るのを、和人は一瞬ためらう。
と言うのもついこの間のBoB本戦前での事が有る為だ。また自分は何かしただろうかと思考を巡らせ……それに気が付いたように直葉が苦笑した。
「別にお兄ちゃんの事をつるし上げようって訳じゃないわよ。良いからほら!見てってば!!」
そう言って彼女は端末をずいずいと和人に近づける。若干身を反らしながら和人がそれを受け取り、見ると同時に大声を上げた。
「な……何ィ!?」
「おっと!」
行き成りの大声に驚き、紅茶を入れる手元が狂いかけて涼人は声を上げる。カップ二つに紅色の液体を注ぎ終えて、テーブルに運びつつ、涼人はタブレットを覗き込んでいる和人の代わりに直葉に尋ねる。
「何見てんだ?彼奴」
「あー、うん。エクスキャリバーがね、ついに発見されちゃったって記事」
「へぇ……そりゃ成程だ」
《聖剣
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