キャリバー編
百二十三話 年末の大イベント
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ます!」
「んあ?行ってらっさい……」
現在時刻は九時を十分過ぎた位なので、今日の和人は少し寝坊気味なお目覚めだ。案の定まだ完全には目が覚めていない様子で、しばらくボーっと其処に立っている。
まあ涼人、直葉含め学生組みは全員今日から冬休みなので、気持ちはわからないでもないが。
さて、何時までも和人の事を脳内で実況中継していても仕方がないので涼人は作業を再開する。
先ず先ほどまで翠のパンをトーストにしていたオーブントースターが冷める前に、スライスしておいたイングリッシュマフィン(市販)をぶち込み、タイマーセット。
鍋に湯を沸かし、沸騰しない程度まで温めて中火でそれを維持。そのままおたまでそれをかき混ぜて、渦を作り鍋の中心に向けて水流を作る。
そのままその中心に向けて、涼人は生卵を割り落とす。所謂、ポーチドエッグを作っている訳である。
と、熱湯に入れられ、即座に凝固し始めた卵がある程度固まる間に用意しておいたフライパンに油を引き、火に掛ける。
ベーコンを乗せて焼きはじめ、卵の様子を見つつ少し待つと、ベーコンが焼き上がるより少し前に、卵がいい感じの硬さになるので水に入れて冷やす。
と同時に焼き上がったベーコンを上げて、何故か良いタイミングで焼きあがったマフィンを取り出してその上にベーコンを乗せて、水を切った卵を更にその上に乗せる。この、卵、ベーコン、マフィンの作業を繰り返す事30分……
――――
「朝飯出来たぞ〜……」
「は〜い!」
「おぉ、腹減ったなぁ」
庭に居た直葉と和人をそう言ってよんで、朝食タイムだ。
「ったく、あーめんどくさかった」
「文句言わない!もとはと言えばりょう兄ちゃんの自己責任なんだからね!?」
「ハイハイ……」
「……?」
ぶつくさ言っている涼人に、直葉がそう言って涼人は気怠げに頷く。なんの話か分かって居ない和人はまだ寝ぼけ顔で首を傾げているが、まあ別にわざわざ言うべき話でもあるまい。
「さて……」
と、食卓に出す前に始めに作っておいたソースを掛ける。黄色いソースが白い卵に付いたのを確認して、食卓に出した。
「へいお待ちっ」
「おぉー!」
「これは……何だ?」
和人の問いに、涼人は肩をすくめて答える。
「エッグベネディクト。アメリカかどっかの一般的な朝食メニュー。何故かスグが知っててな。作る羽目に……」
「へぇ……」
言いながら、興味深そうに皿の上の料理を凝視する和人を横目に食卓に付いた涼人は、皿の前で手を合わせて高らかに言った。
「さて、それでは皆さんご一緒に!」
「「「いただきます!」」」
両手を合わせて軽く一礼。どこの家でもやる、食事前の1コマだった。
「一度食べ
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