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鋼殻のレギオス IFの物語
二十話・後編
[後書き]

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 目を覚ますと少年は穴から抜けていました。
 ここがどこだかわかりません。最初にいた場所のようにも見えます。
 全身が痛みます。きっと傷だらけなのでしょう。血も流しているでしょう。
 どうしようもなく汚れているのでしょう。

 ふと少年は気づき、大急ぎで探し回ります。
 人形です。ずっと話してきた、人形たちです。
 その人形を取り出し少年は絶望します。
 汚れていました。腕が取れていました。お腹が裂けていました。
 今にも千切そうな人形が叫びます。
 嘘つき。嘘つき。裏切り者……
 何故騙した。何故約束を破った。何故かってに歩いた。ずっと嘘をついていたのか。
 口々に叫び少年を糾弾します。
 今にも千切そうな人形から悲痛な叫びが少年を貫きます。





 どれだけ時間が経ったでしょう。少年は項垂れています。
 心がすり減り、自力で立つ気力もありません。
 誰かの為に、皆の為に、としてきた全てが少年に牙を向きました。
 守ろうとした全てが少年を否定しました。
 もう人形から声は聞こえません。いや、聞こえないと思い込んでいるだけかもしれません。
 
 動かず、声を出さず、心が磨り減った少年の様なもの。



 そこには一つの糸繰り人形がありました。


 
 カラ、カラ、カラ……
 ……
 …
 .
 

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