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真剣で武神の姉に恋しなさい!
波乱
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「んじゃ!いっただきまーす!!」

 翔一の号令と共に皆がいっせいに食べ始めた。その中には先ほどのようなピリピリとしたわだかまりは感じられなかった。すると瑠奈が千李の袖を引っ張る。

「どうしたの?」

「お母さん。みんななかよし?もうけんかしない?」

 瑠奈が首をかしげながら言うと千李は優しい笑みを浮かべながら瑠奈の頭を撫でる。

「ええ。もうしないわ。それじゃあ食べましょうか?」

「うん!!」

 二人も食卓に加わった。



「おっといけねー。忘れるところだったぜ。実はなさっき商店街の抽選で箱根の団体様招待券を当ててな!つーわけで今度の連休みんなでいかねーか?」

 翔一が聞くとそれぞれが反応する中一子が静かに言った。

「ほんと、絶対守護霊ついてるわよねキャップ」

「霊の話はそこまでだ。ワン子」

 一子の守護霊という言葉を聞いて百代が青ざめた顔をする。それを見ていた瑠奈が百代に聞いた。

「百代お姉ちゃんおばけこわいの?」

「そそそ、そんなわけないだろ!?ゼンゼン大丈夫だぞ私は!?」

「落ち着きなさいっての……。声裏返ってるし」

 百代に突っ込みを入れながら千李は翔一に聞き返した。

「それって瑠奈もついて行っていいのよね?」

「ああ!もちろんだぜ!瑠奈も立派な風間ファミリーのメンバーだからな!」

 高らかに宣言したあと翔一は瑠奈の頭を撫でた。

「わたしもついて行っていいの?」

 瑠奈が千李に振り向きながら聞くと千李はただ静かに頷いた。瑠奈もそれを見ると顔が明るくなりぴょんぴょんと跳ね回りながら喜びを表していた。

 その話が終わると由紀江が棚にある写真を見て話を振った。

「この写真、皆さんの小さいころですか?」

「あ、いやそれは」

 大和が止めに入ろうとしたが既に遅かった。

「あれでもこれ……」

「千李先輩がいないな」

 クリスのその言葉にその場にいた全員があちゃー、という顔をした。そして誰もが千李の顔色をうかがう中。千李は小さく笑いながら話しはじめた。

「その写真に私がいない理由はね……。私が風間ファミリーに入ったのは6年の終わりだったのよ」

 そういった千李の目には少し悲しげな光が灯っていた。千李は膝の上で眠ってしまった瑠奈を撫でながら言葉をつむいだ。

「ちょっと昔の話になるけどいい?」

「姉さんそれは……!!」

 百代が止めに入ろうとするが千李は微笑を浮かべながら百代を制止させる。

「大丈夫よ百代。どうせ話さなくちゃならないことだし。……ちょっと長くなるかもしれないけど聞いてくれる?」

 二人が頷くと千李は淡々と語りだした。

「私は6歳から1
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