波乱
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そこで由紀江が止めに入ったらしいが百代や岳人に腰が低すぎるといわれ怒られたとのことだ。
話を聞いた千李は「なるほど」といいながら頷く。
「どっちが悪いかはわかったわ」
千李の言葉を聞いたメンバーは少し顔が明るくなった。おそらく千李が味方になると思ったのだろう。
しかし帰って来た言葉はメンバーの耳を疑うものだった。
「お前らが悪いなこれは」
「え?」
声を上げたのは誰かは誰だったか。しかしメンバーであることは確実だった。その声が上がった後千李が補足する。
「もちろんお前らが全部悪いわけじゃないさ。クリスにも非はあるけどね」
「でも!何で私達が悪いことになる!!」
千李の言葉に百代がテーブルを叩きながら立ち上がり千李を睨む。千李はその様子にビビることもなく続けた。
「まぁ座りなさいって百代。……私が気になったのは二つ。お前らクリスにここが大事な場所だってことを説明したの?」
千李が言うと全員が言葉を詰まらせる。
「やっぱり言ってないわけね」
「でも普通はわかると思うよ千李姉さん」
大和が千李に反論した。千李は大和を一瞥すると静かに告げた。
「その普通は誰の普通だ?全世界の人が思う普通か?それともお前達の普通か?」
「それは……」
痛いところを突かれたのか大和が押し黙る。
「確かに私はお前達が変わってなくてよかったと思ったわ。だけどね、せめてここだけは変わっていてほしかったわね」
千李は腕を組みながら話し始める。
「いい?お前達は完全に世間のことを自分の物差しで見てるわ。確かに仲間内でいるときはそれでいいかもしれない。だけどこんな関係がいつまでも続くわけじゃないわ。そんな時にお前達は自分達の物差しを人に押し付けるの?今回の問題はそういうことが招いたのよ」
一つ一つの言葉に思うところがあるのか大和たちが顔を伏せる。
「クリスの言ったことは世間一般的というよりもどちらかというよりクリスなりの解釈が入ってたけど、多くの人は高校生がここを管理していると知ったら危険だと思うでしょうね。そんな時もお前らは今回みたいに自分の考えを否定されたら今みたいにキレるの?……まるで子供ね」
「……」
千李の言葉に大和のもとで泣いていた京が千李に怒気を孕んだ視線を送る。
「なに京?意見があるなら話してみなさい」
千李もそれに気付き京に話しかける。
「確かに千李先輩の言うことはわかるけど!!それでも……」
「それでも普通の人ならここが自分達の大切な場所だってわかるはずってか?甘えるのもいい加減にしろよ京。それが世間を自分達の物差しで見てるって言ってんの」
先ほどまでの優しさのこもっていた言
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