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「おにーちゃん」
目の前の兄に声をかけた。
ゆっくりと振り向いた兄とアスナさんは、私とレオをみると言った。
「キリアもレオも…」
「君たちも来ちゃったのか…」
二人は苦笑していた。
先ほどまで、茅場と話していたのだという。
「どうなっちゃうんだろうね」
「死ぬって感覚は無いよな」
「そうね…」
「微妙な感じだな」
私たち四人は、並んで腰を下ろし、崩れゆく浮遊城を見つめた。
アスナさんの小さな声と、同じくらいの兄の声。
私とレオは、無言で寄り添う。
崩壊が目の前まで迫った。
「レオ」
「どうした?」
「またどこかで会おうね」
「約束?」
レオが小指を立てる。
私はその小指に自分の小指を絡めてから、小さく、言った。
ーーー誓いだよーーー
視界は白く輝き、人影が見えなくなり、意識が朦朧としてくる。
ちょっとの間、お別れ。
また会えると…ううん、また、会おうね。
レオ……
白く儚く、光が辺りを満たした。
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